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シジミや名古屋コーチンの新味 令和もラーメンが熱い

満を持して独立した「宍道湖しじみ中華蕎麦琥珀」

全国の産地から蜆を取り寄せ、その持ち味を徹底的に研究した。研究の結果、宍道湖産の蜆が「琥珀」の味を実現するのに必要不可欠、という結論に到達した。最大のハードルだった仕入れコストが高いという問題も、島根県・宍道湖へ赴き、業者に自らの経営ビジョンを熱く語ることでクリアしたという。

「経営ビジョンについて業者さんからの賛同が得られた時は、それはもううれしかったです」。足かけ10年に及ぶ蜆への愛情が実を結んだ瞬間だ。

さて実食。スープが口の中へと飛び込んだ瞬間、気品ある蜆の香りが鼻腔(びこう)へと駆け抜け、間髪を入れず、貝うま味成分「コハク酸」のうま味が味蕾(みらい)をしっとりと潤す。塩ダレも、まろやかさとカドをあわせ持ち、蜆の魅力を等身大以上に引き出す傑作。スープが喉元に触れた後の余韻から、岩田店主の技量の高さは並大抵のものではないと分かる。食べ手は鳥肌を立てるはずだ。

スープだけではない。麺もまた、こだわりの塊だ。名門「菅野製麺所」から多種多様なサンプルを取り寄せ、試食を重ねた上で厳選。しなやかさとコシの強さを兼ね備え、過不足なくスープを持ち上げる麺はこの1杯の最適解といえる。すする度に箸を持つ手が加速し、食べ手は脱帽すること必至だろう。

気が付けば、スープまで一滴残らず飲み干してしまっていた。オープン早々、多くのラーメン好きから注目を浴び、行列店と化した同店は今後、どこまでの飛躍を遂げるのか。未知数の可能性を秘めた、新時代にふさわしい気鋭店だ。

郊外にあるが初日から行列ができた「IRUCA-Tokyo- 入鹿東京」

IRUCA-Tokyo- 入鹿東京(いるかとうきょう)

<名古屋コーチンを軸に、引きの強いうま味を演出>

引き続き紹介するのは、東京多摩東部エリアの東久留米市にオープンした「入鹿東京」。

店舗は西武池袋線東久留米駅から徒歩3分弱と至便な場所にある。スタイリッシュな郊外型の店舗外観が目を引く。同店を切り盛りする小川店主は「AFURI」「ラーメン凪」「麺屋一燈」で修業を重ねた上で独立した。修業先はいずれも、現在の都内のラーメンシーンをけん引するそうそうたる実力店で、オープン前から話題性は十分。東久留米という必ずしも都心に近くないロケーションでありながら、オープン初日、店主が手掛ける1杯を求めておびただしい数のラーメン好きが詰めかけた。

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