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週末移住で自分を再発見 デュアルな生活最前線 20~30代が6割、年収関係なく裾野拡大

2019/5/19

成田さんは2拠点生活の利点を「仕事で何かあってもリセットできる」と話す。その上で「定年退職後に友人がいなくなってさみしい思いをする人が多いと聞くが、会社の肩書などと関係なく素の自分で勝負するための訓練にもなる」と「2拠点生活のススメ」を説く。

■子育てでも利点多く

「どの拠点に行くにも『ただいま』ですね」。京都府福知山市の山間部の雲原地区と京都市内を夫(42)と娘(2)と一緒に毎週行き来する吉田美奈子さん(30)は笑う。

吉田さんは大学卒業後、大阪市や京都市でのNPO勤務などを経て、12年秋に雲原に移住。農作業などを通じて地域にも溶け込み、住み続けていこうと決めたころに、京都市在住の夫と出会った。どちらに住むか選ばないといけないと思っていた吉田さんだが、夫に相談すると「どっちかに決めんでもええやん」との言葉。15年秋ごろから、平日は京都、金曜から日曜は雲原で過ごす2拠点生活を始めた。家賃は月2万5000円。このほかに車での移動に月3万円ほどかかるという。

吉田美奈子さん(右)は2拠点で子育てライフを送る(京都府福知山市の雲原地区)

雲原ではトマトや大豆、コメなどを家庭農園で栽培。地元のおばちゃんの家で話し込んだり、自宅の一部を農家民宿として貸し出したりして過ごす。「帰る家がいっぱいあって、どこでも温かく迎えてくれるのがうれしい」

子育てでも利点は多い。京都の1拠点しかないと、「ママ友」たちとのコミュニティーとしか交流できないが、雲原にも拠点があることで都会とは違った人たちと触れ合え、「考え方にゆとりができる」。幼い子どもも多様な価値観に触れることができる。今秋にはもうひとり子どもが生まれるが、この2拠点生活は当面続ける考えだ。

■「モードの切り替えができる」

拠点ごとに仕事を持つデュアラーもいる。間瀬海太さん(24)は東京の通信制高校、N高等学校で勤務するかたわら、長野県小布施町で地域活性化に取り組む社団法人にも籍を置く。1カ月の半分は東京、もう半分は小布施で過ごす生活だ。東京では月3万円程度の表参道のシェアハウスに住んで銀座に出勤。小布施でもほぼ同額のアパートを借り、シェアオフィスに車で通っている。東京と小布施との移動はバスを使い、往復にかかる料金は1回3000円ほどだ。

間瀬海太さんは長野県小布施町で地域活性化に取り組んでいる(長野県小布施町のシェアオフィスのハウスホクサイ)

間瀬さんは2拠点生活について「モードの切り替えができる」と利点を話す。毎月10本ほどの企画書を書かなければならないが、「集中したいときは小布施、打ち合わせがあるときは東京と、使い分けている」。バスでの移動時間もアイデアを練ったり読書したりして過ごし、「全く苦にならない」という。

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