初夏にぴったり 1000円台の欧州産白ワイン

NIKKEIプラス1

経済連携協定(EPA)の発効で、手ごろになった欧州産ワイン。
徐々に暑くなる今の時期は白ワインがおすすめだ。
1000円台で買える欧州産の白ワインを、専門家が選んだ。
(左から)1位 ヴィーニャ・エスメラルダ(スペイン)、2位 フェウド・アランチョ インツォリア(イタリア)、3位 ドメーヌ・ジボー ソーヴィニヨン・ブラン(フランス)

デイリーワインこそお得 赤で割っても

汗ばむ陽気の日が増え、冷やした白ワインがおいしい季節になってきた。欧州産ワインにはこれまで、750ミリリットルのボトル1本につき、最大約94円の関税が課せられていた。1万円のワインであろうが、1000円のワインであろうが……。となると、EPAで関税がゼロになりお得感があるのは、手ごろなデイリーワインだ。今回ランクインした商品も、EPA発効後に輸入元や小売店で値下げされたものが含まれている。

欧州連合(EU)からのワインの輸入量も2~3月は前年同期比約3割増と右肩上がりだ。「日本人はラベルを読み込むなど研究熱心だが頭で考えがち。手ごろな価格帯のワインが増えているからこそ、もっと自由に楽しんで」。フランス料理店マクシヴァンのソムリエ、佐藤陽一さんはこう話す。

1000円台の白ワインなら、好みに合わせて氷を入れたり、ジンジャーエールで割ったりするのもおすすめ。赤ワインと合わせて“即席ロゼ”にするのも楽しみ方のひとつだという。

1位 ヴィーニャ・エスメラルダ
(スペイン) 590ポイント
温度で変わる味わい

スペイン北東部のカタルーニャ州で140年以上ワインを造り続けるワイナリー、トーレスが手がける。商品名はスペイン語で「エメラルドのワイン」の意味。

香り豊かな品種を使い、「冷やして飲むとかんきつ系やマスカットの香りがして、温度が上がるにつれて華やかに変化する。1本で様々な味わいを楽しめる」(吉田さおりさん)。

じめじめとした日本の夏の暑さを和らげるような「フレッシュな酸が心地いい。ピクニックに持って行きたい1本」(本多康志さん)とアウトドアにもおすすめ。さわやかな食べ物との相性もよく「ハーブやオリーブオイルをふんだんに使ったサラダに合う」(遠藤利三郎さん)。

(1)ブドウの収穫年 2017、2018年(2)1728円(3)ブドウの品種 モスカテル、ゲヴェルツトラミネール(4)輸入元 エノテカ(5)https://www.enoteca.co.jp/

2位 フェウド・アランチョ インツォリア
(イタリア) 510ポイント
フレッシュな香り、甘みほんのり

イタリア・シチリア島のワイナリー、フェウド・アランチョが手がける。最先端の設備や技術を使ってワイン造りをしている。

マーガレットなどの白い花を思わせる香りに、レモンのようなきりっとした酸が特徴の品種、インツォリアを100%使う。「フレッシュな香りで、すっきりしながらもほんのりとした甘みを感じられ飲みやすい」(名越康子さん)

コストパフォーマンスへの評価も高かった。「酸が果実味を支えていて、飲み心地が爽快。これで1000円台前半の価格はえらい」(鹿取みゆきさん)。マリアージュのおすすめは「パクチーたっぷりのアジア料理」(長谷川純一さん)だ。

(1)2018年(2)1350円(3)インツォリア(4)モトックス(5)https://mot-wine.mottox.co.jp/

3位 ドメーヌ・ジボー ソーヴィニヨン・ブラン
(フランス) 385ポイント
すっきり、目にも涼やか

パリの南西に位置する、古城で有名なロワール地方のワイナリー、ドメーヌ・ジボーが手がける。減農薬で栽培したブドウを使い、その黄緑がかった色味は目に涼やか。辛口の品種、ソーヴィニヨン・ブラン100%で「すっきりさわやかな1本。レモンや青リンゴなどのイメージで、飲むと元気になる」(冨永純子さん)。「フレッシュな印象で、果実感もあるが重みはない」(柳忠之さん)

グラスに注いだときの香りも特徴的。「フルーツとジャスミンの香りが、暑くなる季節にぴったり」(島井崇行さん)との声もあった。

(1)2017、2018年(2)1998円(3)ソーヴィニヨン・ブラン(4)ヴィノスやまざき(5)https://www.v-yamazaki.com/

(上段左から)4位 サンタ・クリスティーナ・ビアンコ(イタリア)、5位 ル・プティ・クルセル・レ・コピン(フランス)、6位 トゥーレーヌソーヴィニヨン ラジャヴリーヌ(フランス)、(下段左から)7位 マルキ ド ラランド ウッディ ブラン(フランス)、8位 ネブラ・ヴェルデホ(スペイン)、9位 プレミアム タマイオアサ・ロマネアスカ(ルーマニア)、10位 ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ(イタリア)


4位 サンタ・クリスティーナ・ビアンコ
(イタリア) 380ポイント
現地で60年以上の支持

イタリアの名門メーカー、アンティノリが手がける。現地では60年以上愛され続けるブランド。まろやかな口当たりで「バランスが良くクオリティーが高い」(谷宣英さん)。食事との相性もよく「香りはおとなしめだがまとまった味わい。どんな前菜にも合う」(吉田さん)。

(1)2017、2018年(2)1728円(3)グレケット、プロカニコ(4)エノテカ(5)https://www.enoteca.co.jp/



5位 ル・プティ・クルセル・レ・コピン
(フランス) 370ポイント
飲み飽きないニュートラルな味

仏ボルドーの家族経営のメーカー、マリー・エ・シルヴィー・クルセルが手がける。繊細さが特徴で「生き生きとしたアロマを感じられる」(柳さん)。「ニュートラルで飲み飽きない。様々なシーンに対応できる」(谷さん)。ラベルのイラストもかわいい。

(1)2016、2017年(2)1836円(3)ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、シャルドネ(4)エノテカ(5)https://www.enoteca.co.jp/



6位 トゥーレーヌ ソーヴィニヨン ラジャヴリーヌ
(フランス) 340ポイント
鮮魚のカルパッチョと相性抜群

仏ロワール地方のトゥーレーヌ地区で、農家の協同組合が手がける。ブドウの香りを最大限生かすため低温で醸造。「花やハチミツ、桃の香りがして女性におすすめ。おしゃれなおつまみと一緒に飲みたい」(名越さん)。「鮮魚のカルパッチョと好相性」(長谷川さん)

(1)2016、2018年(2)1717円(3)ソーヴィニヨン・ブラン(4)東京ヨーロッパ貿易(5)https://www.seijoishii.com/



7位 マルキ ド ラランド ウッディ ブラン
(フランス) 330ポイント
滑らかな口当たり、サラダにも

仏ボルドーでネゴシアンと呼ばれるワイン商がプロデュースした。様々な生産者のワインをブレンドし、数カ月間熟成。「滑らかな口当たりから、後味はすっきりと辛口に」(佐藤陽一さん)。「きりっとして緊張感がある。生のホタテのサラダに」(鹿取さん)。

(1)2017年(2)1501円(3)ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン(4)東京ヨーロッパ貿易(5)https://www.seijoishii.com/



8位 ネブラ・ヴェルデホ
(スペイン) 280ポイント
収穫後の夜明けの爽快感表現

スペインの歴史あるワイナリー、ヴィセンテ・ガンディアが手がける。果実の香りを維持するため夜間にブドウを収穫し、収穫後の夜明けの爽快感を表現。「リッチでバランスがよく、初夏の夜に楽しみたい」(本多さん)。「豊かな酸味に、心地よい苦みも。シンプルな夏野菜と一緒に」(谷さん)。

(1)2018年(2)1166円(3)ヴェルデホ(4)コルドンヴェール(5)https://www.aeondewine.com/



9位 プレミアム タマイオアサ・ロマネアスカ
(ルーマニア) 270ポイント
キンキンに冷やして

2003年設立のルーマニアのワイナリー、ブドゥレアスカが手がける。2000年以上にわたり栽培されている、香り高いタマイオアサ・ロマネアスカ100%。「フローラルな香りでほのかな甘み。天ぷらにも」(島井さん)。「フルーティーさがある。昼にキンキンに冷やして」(本多さん)。

(1)2017年(2)1890円(3)タマイオアサ・ロマネアスカ(4)モトックス(5)https://mot-wine.mottox.co.jp/



10位 ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ
(イタリア) 250ポイント
力強い香りとエレガントな酸味

イタリア・トスカーナ州のワイナリー、レ・ローテが手がける。果汁と皮を一緒に仕込む「スキンコンタクト」製法を採用し、濃厚さも感じられる。「力強い香りとエレガントな酸味が同時に楽しめる。味わいは滑らかで、魚介のタルタルと合う」(長谷川さん)。

(1)2016、2018年(2)1998円(3)ヴェルナッチャ、ソーヴィニヨン・ブラン(4)ヴィノスやまざき(5)https://www.v-yamazaki.com/



◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。(1)ブドウの収穫年(2)税込み価格の目安(3)ブドウの品種(4)輸入元(5)商品サイトや販売サイトの一例。写真は三浦秀行撮影、スタイリングは西崎弥沙

調査の方法 1000円台の欧州ワインを扱う卸や小売店におすすめを挙げてもらい、専門家の協力を得て26本を選出。商品名を伏せて試飲し、初夏に向く、コストパフォーマンスが高いなどの観点から1~10位まで順位をつけてもらい、編集部で集計した。(井土聡子が担当しました)

今週の専門家 ▽遠藤利三郎(遠藤利三郎商店オーナー)▽鹿取みゆき(フード&ワインジャーナリスト)▽佐藤陽一(マクシヴァン代表)▽島井崇行(ヒルトン東京ソムリエ)▽谷宣英(ホテルニューオータニエグゼクティブシェフソムリエ)▽冨永純子(キャプランWSET Diploma認定講師)▽名越康子(ウォンズ発行人・編集人)▽長谷川純一(俺のフレンチ・イタリアン青山シェフソムリエ)▽本多康志(ファロシェフソムリエ)▽柳忠之(ワインジャーナリスト)▽吉田さおり(アカデミー・デュ・ヴァン講師)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年5月18日付]

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