花王、高価格帯のハミガキ新商品 エイジングケア特化

日経クロストレンド

薬用ピュオーラ GRANのCMには15年からキャラクターを務めるマツコ・デラックスに加え、ターゲット層のいとうあさこ、大久保佳代子を起用した。写真左から2人目は花王パーソナルヘルスケア事業部長の吉海直樹氏(写真:中村宏、以下同)
薬用ピュオーラ GRANのCMには15年からキャラクターを務めるマツコ・デラックスに加え、ターゲット層のいとうあさこ、大久保佳代子を起用した。写真左から2人目は花王パーソナルヘルスケア事業部長の吉海直樹氏(写真:中村宏、以下同)
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花王は2019年4月20日、歯周トラブルケア向け薬用ハミガキ「ピュオーラ」シリーズから口のエイジングケアに特化した「薬用ピュオーラ GRAN(グラン)」を発売した。菌の分泌物が原因のさまざまな症状に効果があるという。

加齢とともに口の悩みは増えていく

ピュオーラGRANは、「薬用ピュオーラ」シリーズの主成分で菌のかたまりに浸透して口の中を浄化する成分「エリスリトール」に加え、口腔(こうくう)内に潜む歯周病の病原菌の分泌物(プロテアーゼ)も洗浄できる米ぬか由来の「γーオリザノール」を配合した。

口腔内のエイジングケアに特化した「薬用ピュオーラ GRAN(グラン)」。価格は税込み800円(日経クロストレンド調べ)。「薬用ピュオーラ GRAN マルチケア」と、独自のホワイトニング成分フィチン酸を加えた美白効果のある「薬用ピュオーラ GRAN ホワイトニング」の2種類を販売

プロテアーゼは加齢とともに口の中に増え、口臭や歯の黄ばみなどさまざまな歯周トラブルを引き起こす。40代後半から50代前半をコアターゲットに据え、「お口のエイジングケア」を訴求し口腔内の健康寿命の延伸を目指す。

花王パーソナルヘルス事業部ブランドマネジャーの野口真紀子氏は、「歯周病はさまざまな疾患の原因にもなり得る。人生100年時代において、口腔内を健康に保つことは体の健康にもつながり重要だ」と、口腔ケアの重要性を強調する。

γーオリザノールは米ぬか由来で、菌の分泌物であるプロテアーゼの活性を約85%抑えられるという

花王によると50代の50%以上が歯周病にり患しており、10年前と比べて上昇傾向にあるという(16年 厚生労働省 歯科疾患実態調査による)。花王が実施した調査では、加齢に伴い口腔内の悩みは増える傾向にあるとのこと。悩みの数も、10代は「歯の悩み」がほとんどで平均1.4件しかなかったが、40~50代になると「歯周の悩み」「歯ぐきの悩み」などが加わり、平均で4.1件の悩みを抱えていることが分かった。

野口氏は「悩みが増えるのは健康な歯が残っているからで、いい傾向でもある」と指摘する。実際、40代以降の歯の平均本数は、大幅に増加しているという(花王の調査より)。

年齢とともに口腔の悩みは増えていく

一方、ピュオーラ GRANがターゲットとする層の口腔ケア意識は年々上がっている。花王によると、07年から17年の10年間で、歯磨きに対する意識が40代で15ポイントも上昇した。それに比例するように、500円以上の高価格帯のハミガキを購入する人が増えたという。

花王によると、02年に比べて18年の高価格帯ハミガキの購入者は約2倍に増加した。「より付加価値機能を求める人が増えた」と、花王パーソナルヘルスケア事業部長の吉海(よしがい)直樹氏は分析する。

口腔ケア意識の高まりに比例し、高価格帯のハミガキを選ぶ人が増えた

唾液の洗浄作用に着目した薬用ピュオーラシリーズ

95年発売の薬用ピュオーラは、ストレスや疲れ、加齢などからくる唾液分泌量の低下による、口腔内の不快感に着目して開発された。唾液には消化作用や虫歯を防ぐ再石灰化作用のほかに、殺菌などの清浄機能と抗炎症作用などの保護機能も含まれる。しかし上記のような理由で分泌が低下すると、口臭やネバつきなどの不快感、虫歯や歯周病などの疾患を引き起こしやすくなる。

そこで唾液の洗浄作用をヒントに、細菌の集合体を分散させやすくする作用のある糖アルコール「エリスリトール」を高濃度で配合した。その後、舌のケアに特化した「薬用ピュオーラ 泡で出てくるハミガキ」を発売。「口腔内の菌の66%は舌にあるが、やり方次第では舌を傷つける。きちんとケアしてもらいたい」(野口氏)。

薬用ピュオーラ GRANでは、口のエイジングケアを訴える。野口氏によると、「歯が24本あれば何でもおいしく食べられる」という。長寿化が進む日本で、歯から健康寿命を支えることを目指す。

薬用ピュオーラのラインアップ

(ライター 北川聖恵)

[日経クロストレンド 2019年5月8日の記事を再構成]