「自分の目で見るな」スイス時計の立役者、成功の秘訣LVMHグループ時計部門 ジャン-クロード・ビバー氏

2019/5/20
ジャン-クロード・ビバー氏はLVMHグループ時計部門トップとしてスイス時計業界をけん引してきた
ジャン-クロード・ビバー氏はLVMHグループ時計部門トップとしてスイス時計業界をけん引してきた

スイス高級時計ブランド「タグ・ホイヤー」「ゼニス」「ウブロ」を擁するLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)グループの時計部門トップを務めてきたジャン-クロード・ビバー氏(69)がビジネスの第一線から退いた。クオーツ式時計の席巻で苦境に陥ったスイス時計産業を機械式時計の高級路線で再興した立役者で、業界のカリスマ的存在として知られる。ビバ-氏に引退の理由などを聞いた。

◇ ◇ ◇

――なぜ一線を退くことを決めたのですか。

「少し前に体調を崩し、その時に第一線から退こうと決めました。今は自分でも驚くほど健康に戻ったので、『なぜ決めたのだろう』と思ってしまうのですが、今となっては変えられません。エレベーターで下の階に降りてしまったけれど、また上に昇りたいといった気持ちでしょうか」

――1975年に世界三大高級時計ブランドのひとつ「オーデマ・ピゲ」に入社、時計業界に足を踏み入れてから45年ほどがたちます。振り返って思い出深い出来事は何ですか。

「1つ目は私の退任です(笑)。2つ目は『ブランパン』の売却です。これはもう本当にショッキングなことで何年も後悔していました。3つ目はゼニスの成功です。想像を超える成功を収めることができました」

注:ビバ-氏は1982年に休眠中だった老舗時計ブランド「ブランパン」を買収、1992年に現在のスウォッチグループに売却した。

成功の秘訣は「自分のために働くのではなく、ブランドのために働くこと」と説く

「重大な出来事、思い出としては以上の3つとなりますが、別のカテゴリーでいえば、ウブロの主力ウオッチ『ビッグ・バン』の成功です。もちろん成功すると信じてはいましたが、我々の予想をはるかに超えて、ここまで大成功を収めるとは思いもよらぬ喜びです」

注:ビバ-氏は2004年、新興ブランド、ウブロの最高経営責任者(CEO)に就任、「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」とのコンセプトを打ち出し、05年「ビッグ・バン」を発表した。

自分より優秀な人間を採用せよ

――幾つもの時計ブランドで革新的な取り組みに挑戦し、成功を収めてきました。その秘訣は何ですか。

「まずは自分よりも優秀な人を採用することです。次に競合に先行し、ユニークであり、違いを打ち出すことです。3つ目としては、自分のために働くのではなく、ボスのために働くということです。ボスとは誰でしょう。まさにブランドです」

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