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パラスポーツ、子供に届け 人気ユーチューバーが発信 パラサポ山脇会長×UUUM鎌田社長の対談(上)

2019/5/31

今年3月の「パラ駅伝」には人気ユーチューバーのフィッシャーズが参加した(東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園陸上競技場)

公益財団法人の日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ、東京・港)とユーチューバーのマネジメント会社であるUUUMは昨年から、共同でパラスポーツのコンテンツ制作に乗り出した。ユーチューブでは、再生回数が数日間で100万回を超えるヒット動画も生まれている。2020年東京パラリンピックまで1年あまり、どうすれば若い人にパラの魅力を伝えられるか。パラサポの山脇康会長とUUUMの鎌田和樹社長が語り合った。

■子供にこそ見てほしい

――パラスポーツを伝えるにあたって、パラサポがユーチューバーに着目したのはなぜですか。

日本財団パラリンピックサポートセンター会長の山脇康さん

山脇 日本郵船からパラサポに転じた私が、パラリンピックを初めて生で見たのは12年のロンドン大会です。「五輪よりもすごい」と思いました。現地もすごく盛り上がっていたのですが、日本に帰ってみたら、パラスポーツを知っていても見たことがないという人がほとんどでした。

パラの認知度を上げるにはどうしたらいいか、特に若い人たちに伝えるにはどうしたらいいかを考えていたときに、実際の小学生から「ユーチューブを使ったら、みんなすごく見ますよ」という話を聞いたんです。

――既存のメディアでは、子供に伝わらないということですか。

山脇 そうですね。僕らとしては、パラというすばらしいコンテンツがあるんだけれど、なかなか伝えてくれる人がいないという思いがありました。僕らは、どうしても硬い言葉を使ってしまいますよね。「ダイバーシティー(多様性)」とか「インクルージョン(包括)」とか言っても、子供には分かりません。

正直言って、ユーチューバーが作るコンテンツを最初見たとき「なんだ、これは?」みたいなところがありました。でもパラリンピックは見る人によって面白いと思うものが違っていて、おもちゃ箱のようにいろんなコンテンツが詰まっているんです。それをうまく引きだして、彼らの感性で伝えてほしいなと思いました。

UUUM社長の鎌田和樹さん

もうひとつ、ユーチューバーの側も(パラスポーツに)インスパイアされるという感触がありました。おこがましい言い方かもしれませんが、クリエーター自身が学んで、成長できる。一石二鳥で、とてもいいんじゃないかと考えて、鎌田さんにお願いしました。

――パラサポからの申し出を、鎌田さんが引き受けたのはなぜですか。

鎌田 先ほど、パラの魅力が伝わっていないという話がありましたが、僕からすれば「健常者」なんていう言葉を使うから伝わりづらいんじゃないかと思えるんですよ。我々が知的障害者と呼んでいる人たちと健常者といっている人たちが一緒にテストを受けたとして、勉強していないやつだとテストの結果は悪いじゃないですか。結果だけみればたぶん同じなのに、なぜ、その過程や見た目だけで違うくくりにするんだろう? すべて個性じゃないんですか?

これまで個人が(テレビや新聞・雑誌に)出てくるときに、必ず一定のメディアや事務所を通さないといけませんでしたが、僕らは「個人がメディアになる」という表現をずっとしてきました。これからはいよいよ、そういう個性を持った人たちが直接ユーザーとつながる時代になると思います。だから山脇さんからお話をいただいたとき、断る理由がまずなかったですね。

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