女子同士のおしゃべりに疲れます
脚本家、中園ミホさん
職場の女子とのおしゃべりに疲れます。恋愛やママ友の愚痴など、面白おかしく解決策を一緒に考えてみても、だいたいは理由をつけて現状維持となるパターン。ただ聞いてあげればいいだけとわかっているものの、「意志が弱い」「考え方の切り替えが下手」などと相手をどこかで見下す自分の心の狭さに夜な夜な苦しみます。(神奈川県・30代・女性)
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非常によくわかります。実は私も女子とのおしゃべりが相手によってはかなり苦手です。愚痴っぽい人と誰かの悪口ばっかり言う人。そういう人とは相づちを打つのも疲れます。私はフリーランスだから、そういう人とは距離を取ることができます。職場ではこれをやらないと人間関係が円滑に回らないでしょうから大変ですね。
愚痴を言う人は解決策が知りたいのではなく、だらだらと愚痴をこぼしていたいだけです。そうすることで自分と相談者さんとの親密さを確認している。要するに甘えているんです。
相談者さんはとても、すごい人、いい人だと思います。一生懸命に解決策を考えてあげて、なんとかその人を楽にさせてあげようとしたうえで、さらに夜な夜な自分の心の狭さを責めている。自分がすり減るほど、人に時間を奪われる必要はないのに。ですから、私が使っている対策をお教えします。
誰かを褒めるのです。その人の愚痴がちょっとでも小休止に入ったら、その人も好きで、相談者さんも好きな人のことを褒めましょう。職場の人でもいいし、テレビに出ているような著名な方でもかまいません。例えば「A子さんはすてきね。愚痴を言わないし、人の悪口を言わないし、考え方の切り替え方がすごく上手だし。ああいう風になりたいわね」と。私は嫌みのようにこう言います。
そうすることで「自分は愚痴をこぼしている」とその人に気づいてもらうのです。ちょっときついやり方ですけど、私はそうしています。それで離れていく人とはお付き合いしなくていいのかなと思います。休み時間を全部、それに費やして、自分を責めているのなら。
でも、愚痴をこぼしたいときは誰にでもあります。そして、すべての愚痴がいけない、と私は思いません。愚痴る相手との親しさを、甘えていることにはなるけれど、確かめているところはあるからです。愚痴ることで自分の気持ちが整理できることもあります。言うことで楽になることは必ずあります。だから、私はそのとき、例えば、誰かを飲みに誘うときは「きょうは愚痴るよ」と宣言します。
[NIKKEIプラス1 2019年5月18日付]
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