お墓も実は課税される? ややこしい弔いの税を知る終活見聞録(17)

僧侶に渡す「お布施」は非課税

葬儀の費用にも増税が影響する可能性がある=PIXTA

葬儀についても見てみよう。これも3つの費用に分類される。ひとつは、祭壇や棺(ひつぎ)、骨つぼや生花飾りといった葬儀本体にかかる「葬儀一式」、ふたつ目が式場の使用料や飲食、香典返しなどの「実費」、そして最後に読経や戒名などに対して寺院や僧侶に渡す「お布施」となっている。このうち、お布施には税金がかからない。それ以外の葬儀一式と実費には消費税がかかる。飲食の費用に関しては、弁当を購入して会場に持ち込んだ場合は軽減税率が適用されそうだが……。お布施以外の2つは通常は葬儀会社にまとめて支払い、そこから個別の事業者に渡るケースが多い。「10月以降は、仕出し料理や弁当などを扱う店や、祭壇などを飾る生花店といった仕入れ先の状況によっては、値上げする可能性もある」と葬儀の動向に詳しい鎌倉新書の小林憲行さんは指摘する。

相続税や固定資産税も確認しておこう。国税庁のホームページには「相続税がかからない財産」が列挙されており、その中に「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝している物」とある。生前に建てる墓を「寿陵」と呼ぶが、これも対象になるので、生きているうちに墓を買うのは相続税対策のひとつとされる。もちろん、墓は実物でないとダメ。墓を購入するために用意していた現金は課税対象になる。国税庁の文章には「ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかる」という続きがある。金のおりんなどに相続税がかかることがあるのは、このただし書きに該当するからだろう。固定資産税については、個人が建てた墓にはかからない。借りた土地の上に建てるので、所有者は個人でなく土地の持ち主になるからだ。

最後にペットの墓について触れたい。近年は犬や猫などかわいがっていたペットが死ぬと、個別に墓を建てて弔うケースがある。ペット専用の霊園や区画も人気だ。実は永代使用料や永代供養料に税金がかからないのは人間の墓だけ。ペットの場合は原則として税金がかかる。最近見かけるようになった飼い主とペットが一緒に入る墓では、ペットが「副葬品」の扱いになるため、税金はかからないという。

(土井誠司)

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