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遺言どこに保管? 法務局でOK、家裁の「検認」不要 弁護士 志賀剛一

2019/6/6

遺言者は自らが法務局に出頭し、自筆証書遺言の保管を申請する(名古屋法務局)
Case:57 前回の相談では、遺言の作成に際し、財産目録を自書しなくてもよくなったとの説明がありました。実は、もう一つ心配事があります。せっかく遺言をつくっても、その遺言書をどこに保管しておいたらよいかわからないのです。タンスの奥深くしまい込んでしまうと子どもたちが見つけられないかもしれません。遺言の保管についても新しい制度ができたそうなので、教えてください。

■施行は2020年7月

前回紹介したとおり、2019年1月13日から自筆証書遺言の要式性が緩和され、つくりやすくなりました。自筆証書遺言は思い立ったらいつでも書くことができ、費用もかからないので手軽ですが、書いた遺言をどこに保管すべきか頭を悩ませる人が多いようです。

誰にもわからない場所に保管しておけば秘密は保持されますが、自分が亡くなった後、家族が遺言書を見つけられず、せっかくしたためた最終意思が実現されないことがあります。また、作成後に認知症になり、遺言書の保管場所を失念してしまう人もいます。

だからといって、家族に保管場所を伝えてしまうと、破棄されたり改ざんされたりするリスクもあります。公正証書遺言は公証役場でずっと保管されるので安心ですが、自筆証書遺言に比べると費用もかかり、証人2人を立てる必要があります。

18年7月、民法の相続に関する規定(相続法)の改正に伴って「法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)」が成立し、自筆証書遺言の保管制度が新設されることになりました。これにより、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえるようになります。ただし、すでに法律で制度の新設は決まっているものの、施行時期は20年7月10日なので少々先になります。

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