自筆遺言の負担が減った 財産目録、通帳のコピーも可弁護士 志賀剛一

19年1月13日以降に作成する自筆証書遺言からは、別紙として添付する場合に限り、相続財産の全部又は一部の目録(財産目録)の自書が不要になりました。代わりに、「財産目録」はパソコンで作成した文書、登記事項証明書のコピー、預貯金通帳のコピー、さらには他人による代筆も可となりました。

ただ、財産目録の全てのページに遺言者本人の署名・押印が必要です。また、財産目録を訂正する場合、遺言者が変更の場所を指示して、変更した旨を付記して署名し、かつ変更の場所に印を押すことになっています。

財産目録への署名・押印や訂正方法のイメージがわきづらい人もいると思うので、法務省が例示する参考資料(抜粋)を下記に示しました。

【財産目録への署名・押印のイメージ】

【財産目録の訂正方法のイメージ】

詳細は参考資料のURLご参照ください。
http://www.moj.go.jp/content/001279213.pdf
http://www.moj.go.jp/content/001279214.pdf

なお、法律上は義務付けられていませんが、財産目録だけ後から差し替えたのではないかとの疑いを持たれないためにも、遺言本文と別紙の財産目録は一体として綴りこんでホチキス止めをし、ページとページの間に割り印をしておくのがよいでしょう。

財産目録、必ず別紙に

ところで、自書という要件が緩和されたのはあくまでも添付する財産目録のみであり、遺言の本文は原則どおり自書が要求されています。このため、遺言本文が記載された同じ紙に、不動産の表示をワープロで記載してもそれは無効となります。

また、預金通帳のコピーの裏面に「この預金は○○に相続させる」と記載しても無効です。財産目録は必ず別紙にしなければならないので注意が必要です。

緩和されたものの、依然として自筆証書遺言が無効になるリスクは残っています。「やはり不安だなぁ」という人は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

志賀剛一
志賀・飯田・岡田法律事務所所長。1961年生まれ、名古屋市出身。89年、東京弁護士会に登録。2001年港区虎ノ門に現事務所を設立。民・商事事件を中心に企業から個人まで幅広い事件を取り扱う。難しい言葉を使わず、わかりやすく説明することを心掛けている。08~11年は司法研修所の民事弁護教官として後進の指導も担当。趣味は「馬券派ではないロマン派の競馬」とラーメン食べ歩き。