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女性管理職27% 花王は無理させぬ自由が活躍のカギ

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NIKKEI STYLE

日本経済新聞社と日経BPの女性誌「日経ウーマン」による2019年の「女性が活躍する会社ベスト100」は、花王グループが初の1位になった。働く時間と場所の自由度を高め、18年12月時点で女性管理職比率は27%を超える。先輩から後輩へ働きやすい環境づくりのバトンをつなげ、早期の30%達成を目指す。

法務部の長谷川亜希子法務課長(41)は2人の子を育てる母だ。キャリアを積む上で支えになったことを3つ挙げてくれた。1つ目は復帰後の上司の対応だ。10年に出産し、部内で2人目となる育児休業を約1年取得した。「復帰してからも以前と同じように仕事の機会が与えられた。出張の機会もまずは打診され、無理なら言ってくれというスタンスで、育児中とはいえ変な遠慮がない。厳しくなったら自らNOを言わなければいけないが、機会があるから挑戦できた」と振り返る。

2つ目は「F&M(ファーザー&マザー)ミーティング」。育児中の社員が昼食時、子育て経験のある女性の先輩とコミュニケーションを図る場だ。「今を乗り切れば未来が開けているという気持ちになれた」。現在は子どもの有無に関係なくだれでも参加できるため「それぞれのステージで悩みがあることも分かる」。四半期に1度開催されるこの企画は希望者が多く、抽選で20人程度が参加できるという。

3つ目は「複数体制」だ。1人で案件を抱え込まずメーンとサブを決めて仕事に臨む。計画的に仕事を進めても、途中で会社を出なければならないこともある。そんなときは「退社して子どもを迎えに行き、飲食店で食事させながら電話やメールで同僚と仕事を進める」という。

現在、女性11人を含む21人の部下がいる。気をつけているのは「早く帰るときなどでも"すみません"と言わないこと」。制度があり、仕事に差し支えないようにすれば問題ないからだ。補完し合う環境づくりは男性社員の働きやすさにもつながると考えている。今後は「育児の大変さは子どもによって違う」ことから、それぞれの社員にあった働き方ができるよう配慮していきたいと話す。

花王グループは前回の5位から順位を上げた。女性正社員の半数以上が既婚者で、子どものいる女性正社員比率は45%。着実に女性管理職を増やしているほか、18年にグループ会社として設立したカネボウビューティカウンセリングとソフィーナビューティカウンセリングの社長には女性が就任するなど総合力が評価された。

比較的早い段階から両立支援制度を拡充してきたことが理由の一つに挙げられる。また1991年から育休前、復帰前に人事と上司、本人の3者で面談する体制をとっており、これらが上司や同僚の意識も変えたようだ。

ファブリックケア事業部の原岡理映ブランドマネジャー(47)は09年と12年に出産。育児休業中も月1回の報告書で、商品や売り場に関して気付いたことを生活者の立場で伝えることができ、「仕事から完全に離れることなく生活できたことがよかった」と振り返る。復帰後も上司が午後5時になると声をかけてくれたため「時短勤務にする必要もなく、フルタイムで定時に帰っていた」。

それでも当時は子どもの病気などで会議に出席できないこともあったが、今はウェブ会議が導入されている。「この5年で急激にかわり、両立のための時間や場所は調整できるようになった。ただ選択肢が増えても育児は一律ではない。一人ひとりの環境に合わせたサポートをしていきたい」と話す。

沢田道隆社長「多様な視点、成長に不可欠」

――昨年から順位を4つ上げ初の1位となりました。

女性の力を事業に生かす取り組みについては1980年代から進めており、一連の取り組みが今回評価されたことは大変誇りに思う。

世界の人々のニーズに対応した革新的な製品を提供するためには「商品開発」「組織運営」「人財開発のイノベーション」を絶え間なく進めていくことが不可欠だ。多様な社員の力を引き出し、束ね、時代の変化を捉えて新たなブレークスルーを起こすことが企業の成長につながる。この取り組みを進めるために16年1月、花王は「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進部」を設立した。

――女性の活躍を推進する意義をどのように感じていますか。

女性の活躍なしに成長はなし得ない。花王グループは家庭で広く使う日用品と化粧品を扱うメーカーで、女性が使う商品がたくさんある。ものづくりという面では女性が活躍する機会は非常に多く、結婚や出産を経ても継続して働くことが早い時期から当たり前の状況となっている。体力負荷の大きい工場のラインなどでも、誰でもオペレーションできるよう設備の改善や作業の見直しを進めている。

――今後の課題は何でしょう。

より多様な視点の導入が必要だ。特に会社の日本における女性比率や女性管理職の比率を上げていかなければならない。そのためには女性が働きやすい体制や運用が必要となる。

また多様性における社会全体の意識が上がってきており、その機運をさらに高めていきたい。

両立への工夫が仕事のプラスに ~取材を終えて~

働き方の自由度が高まると、職場で直接コミュニケーションをとる機会が減り、意思の疎通が不十分になるという不安がある。これに対して長谷川さんは「自分の指示と相手の考え、このすり合わせを正確にするよう心がけている」という。原岡さんは「曖昧な優しい言葉ではなく、まず結論をはっきり伝える」ことを意識している。両立のための工夫は、仕事をスムーズにするきっかけになる。

沢田社長が指摘するとおり、女性管理職の比率は日本に限るとグループ全体より低い。「社員一人ひとりにあった働き方が必要」と考える先輩管理職が増えることで、一層の改革が進むことを期待したい。

(女性面編集長 中村奈都子)

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