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シニア、年金いつまで納付? 就労なら70歳まで継続

2019/5/19

そして70歳でリタイアすると、それまでの5年間に払った保険料分が年金額に上乗せされる。長く働いたおかげで70歳以降の生活資金に余裕が生まれる。中には「保険料を払っているのだから年金額も65歳から増えるはず」と勘違いする人もいるが、「増額はあくまで退職した後に反映される」(永山氏)ことを確認しておこう。

専業主婦などシニアで働く人の配偶者が知っておきたいポイントもある。一般に夫が厚生年金の加入者だと妻は「第3号被保険者」となり、原則60歳になるまで保険料負担なしで基礎年金を65歳から受け取れる。ただ、妻が年下で夫より5歳超若いという場合は保険料の面で留意点がある。

年金制度では「夫が65歳になった時点」で妻は第3号被保険者でなくなる。例えば妻が58歳のときに夫が65歳になると妻は第3号から第1号被保険者に種別が変わる。そうなると新たに「自分の国民年金保険料を納める必要が生じる」(社労士の篠原宏治氏)。この例だと60歳になるまでの2年間が対象。その間保険料を払わないとその分、年金は少なくなる。

■健保は「75歳」まで

高齢になっても働こうという人は疾病などに備えて医療・介護保険の知識も持っていたい。シニアを含めて一般に、厚生年金に加入すると勤め先の健康保険にも入る。大企業なら健保組合、中小企業は全国健康保険協会(協会けんぽ)だ。保険料の半分を会社が負担してくれるうえ、妻ら被扶養者は保険料ゼロで医療サービスを受けられる。

健保は加入年齢の上限が「75歳になるまで」だ。厚生年金の上限よりさらに5年長く、シニア就労に有利な面がある。70歳で厚生年金の資格を喪失した後もなお、その会社で働き続けることができれば健保の加入は続く。健保保険料は払い続けるが、長く健保の被保険者でいられればそのメリットも長く受けられる。

介護保険では40~64歳は第2号被保険者と呼ばれ、健康保険と一緒に保険料を払う。「同じように働いていても65歳になると第1号に切り替わる。介護保険料の計算法は変わり、給料天引きではなく年金から引かれるようになる」(社労士の望月厚子氏)。繰り下げを選んで年金をまだ受け取っていない人などは納付書により自分で払う手続きが必要になる。

(土井誠司)

[日本経済新聞朝刊2019年5月11日付]

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