予算オーバー許さない夫 妻の不満和らげた節約法とは家計再生コンサルタント 横山光昭

家計管理について、ご夫婦で十分に話し合われておらず、Sさんがワンマンに管理法などを決めていたようです。妻はその「改善」も今回の家計相談の目的としていたようでした。

約1年前に契約した生命保険についても、夫が1人で決めてしまったそうです。医療保障はありますが基本的に貯蓄性の保険で、ドル建ての保険も含まれています。保険の担当者は「お得で人気の商品です」と説明していたけれど、妻は信じ難く契約したくなかったと言います。

Sさんは妻の一連の発言に驚いていましたが、その場で怒ることなく考え直したようで、家計管理の仕方を少し変えてみたいとのことでした。

予備費が妻の心にゆとりをもたらす

保険の内容を詳しくみると、お金をためる目的には適していないと思えるものでしたので、見直すこととしました。加入期間が短いので少々損をするのですが、それでも解約することをSさん自身が決められました。

家計のやりくりについては、3つの財布を用いた予算管理法は予算額を含め、そのまま継続することになりました。ただ、「予備用」財布を新たに設け、万が一予算をオーバーしたらそこから補填する、というやり方を取り入れました。このためのお金は保険料が下がった分で十分用意できます。そして、妻のスマホのプランに「話し放題」を1000円弱で追加しました。気兼ねなく必要な電話ができるということで、妻は喜んでいましたし、安心もしたようです。

一部の費目で支出を少し削減できました。夫も娯楽目的の有料テレビを解約したり、美容室を安いところに変えたりと協力しています。こうして月に7万円も削減できました。しかし今回は、妻の気持ちにゆとりができたことが一番よかったのかもしれません。

節約したり収入の範囲に支出を収めたりすることは、当たり前で大切なことです。ですが、それに躍起になりガチガチに管理しすぎると、単なるケチになってしまいます。楽しく暮らすためにお金があるのか、お金のために暮らしているのかが、わからなくなってしまいます。人生は一度しかないのですから、赤字にならない範囲である程度自由に、そして有効に使うことができたと思えるような家計管理法を、それぞれのご家庭で見つけていただければと思います。

(「もうかる家計のつくり方」は隔週水曜更新です)

横山光昭
(株)マイエフピー代表、mirai talk株式会社取締役共同代表。顧客が「現在も未来も豊かな生活を送ることができる」ことを一番の目標に、独自の家計再生・貯金プログラムを用いた個別の指導で、これまで1万件以上の赤字家計を再生。著書は累計100万部を超える『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズ、累計65万部の『はじめての人のための3000円投資生活』シリーズがあり、著作合計88冊、累計270万部となる。講演も多数。
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