予算オーバー許さない夫 妻の不満和らげた節約法とは家計再生コンサルタント 横山光昭

そのため、「食費用」財布を作り、食費と日用品代を週単位で管理しています。財布に毎週1万2000円を入れ、1カ月6万円以内に収めます。医療費や交通費、被服費、交際費の管理は「雑費用」財布でまとめて行います。これは月2万円の予算です。「娯楽用」財布もあり、娯楽費、理美容費、新聞代などが対象で、予算は月3万8000円です。

そのほか、住宅ローン(住居費)や保育園代(教育費)、水道光熱費、通信費、生命保険料といった支出は銀行口座から引き落とされます。

このように、財布を3つに分け、予算を決めてやりくりしているのです。Sさん自身は大変満足しています。こうすると収入の範囲内に支出が収まり、メリハリのある暮らしをしながら、貯蓄がある程度できると満足げに話します。複数の費目を1つの財布でみるので、同じ財布内の費目は流動的に管理でき、自由度の高い使い方ができる、メリハリをつけた家計管理が可能となる、とのことです。

ガチガチの家計管理、予算優先に妻が不満感

ところが、妻の方はそうではない様子です。予算を設定するのは問題ないけれど、それが絶対になりがちで、少しでもオーバーするときつく指摘されてしまうことがつらいと訴えます。

具体的に、子どもが高熱を出し、病院にタクシーで行き来したときの話をします。医療費の自己負担はないものの交通費がかかってしまい予算オーバーすると、「他を減らしてうまく予算内に収めろ」と言われてしまうとのことでした。また、保育園から急な迎えの依頼があり、仕事の調整や保育園とのやり取りでスマホ代がいつもよりも高くなると、「スマホアプリの無料電話で済ませろ」と。

節約は意識しているけれど、やむを得ずタクシーに乗っているというわけです。格安スマホだから通話料は使った分だけ加算されることはわかっているけれど、アプリの無料電話でかけられない保育園などに連絡する場合には使わざるを得ないのに、これをよくないと言われることで暮らしにくさを感じていると、矢継ぎ早に話します。

つまり、生活上必要なことよりも「予算」が優先されてしまうことが大変だというわけです。実際、3つの財布の予算は余ることが少なく、ほぼ使い切っていました。