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大畑大介さん ヒーロー演じて前向きに自分を客観視 元ラグビー日本代表 大畑大介さんに聞く(下)

日経Gooday

2019/5/30

「高校3年の時の先生のあの言葉があったからこそ、頑張ることができた」と話す大畑さん。その言葉とは?(写真 厚地健太郎)
日経Gooday(グッデイ)

2019年9月20日から開催される、ラグビーワールドカップ2019日本大会。そのアンバサダーを務める大畑大介さんは現役時代、度重なるケガに見舞われても決して心折れることなく、日本代表として第一線で活躍し、日本ラグビー界を支えてきた。そこには、大畑さんのメンタルを支えた独自の思考法があった。

◇  ◇  ◇

■短所の克服より、長所を伸ばすことを優先

――インタビューの2回目「大畑大介さん どんなストレスも軽くなる足し算思考」では、思考を少し変えるだけで、ネガティブな感情がなくなり、人間関係のストレスを軽減させるというお話を伺いました。そのほかに思考の転換で、競技人生を乗り越えられた経験はありますか。

大畑:高校3年生の時に、ケガ人が出たために、繰り上げで僕が高校日本代表に選ばれました。その時、ある指導者の先生に、「なぜ君が代表から外れていたか分かるか?」と聞かれたんです。「僕が実力がなかったから外したんですよね?」と答えると、先生は「違う。君のラグビーの実力は評価したけど、身長が低いから外した」と言いました。

僕は一瞬、「えっ」と驚きました。身長なんて自分の力ではどうにもできないじゃないですか。体が小さければ日本代表に選ばれないなんて致命的じゃないかと思うわけです。でも、そこで、先生の言葉を自分の中でもう一度反すうしました。

「体が小さいのが短所と言われたら、どう感じます?僕は落ち込む前に、もう一度その言葉を反すうしたんです」

よく考えると、先生は、ラグビーとしての僕の実力は評価してくれています。それは僕の長所であり、体が小さいのは短所。それを明確に教えてもらえたことに感謝しようと思えたのです。その長所と短所をきちんと認識できていれば、どのように長所を伸ばし、どのように短所を克服するか、次の一手を考えられるから。

さらに考えた末、短所を克服するよりも、自分が好きで得意な長所を伸ばすことを優先したほうが、最短で自分を成長させられるのではないかと考えました。長所を伸ばした上で、短所に対しても逃げずにきちんと向き合おうと思ったんです。

あの時、先生にかけられた言葉の受け止め方次第で、自分が進む道は大きく変わったと思います。先生のあの言葉があったからこそ、何クソと思いながら頑張ることもできたし、1つの物事をどんな角度で見るか、どのように捉えるかで、まったく異なるメンタルになり、自分の選択や行動が変わるのだと実感しました。

であれば、自分にとってプラスに働くように思考を変換しないと、人生損するだけ。闇雲に「前向きに考えよう」とするのはなかなか難しいけれど、物事を一つひとつ深掘りしながらロジックを立てて考えていくと、前向きな考え方にたどり着けるわけです。

そんな考え方ができる人は強いですよね。何が起こったとしても、周囲からどんなに辛辣な言葉を浴びせられたとしても、「そこが足りなかったのか」「ここが自分のウイークポイントだな」などと、自分をありのままに受け入れて考えることができる。大きなダメージを受けることなく、前に進むことができます。

――「そこが足りなかったのか」と落ち込むことはないのでしょうか?

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