定年シニア、不機嫌な顔は損 作り笑いでも福来たる経済コラムニスト 大江英樹

写真はイメージ=123RF
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私は60歳の定年と同時に会社を辞め、自分で仕事をやろうと独立しましたが、独立後の一時期、全く仕事の無い時期がありました。何せヒマなものですから平日の昼間から街をぶらぶら歩くことをしました。これは結構面白いのです。サラリーマン時代に歩く街と定年後に歩く街ではその風景が全く異なって見えます。特に驚いたのは、高齢者の数が多いことです。やがて自分もその一人だということにすぐ気が付いたのですが、サラリーマン時代の休日に歩く新宿や銀座とは歩いている人の層が全く違います。

さらに強く感じたのはそうしたシニア層、特に男性シニアの顔つきが悪いことです。眉間にシワを寄せて不機嫌な顔をしている男性シニアのなんと多いことか。幸せではないから不機嫌なのか、不機嫌な顔をしているから幸せが寄ってこないのか。おそらくその両方だと思いますが、いずれにしても不機嫌な顔をしていて良いことはないでしょう。周りの人たちだって、そういう人には近づきたくないでしょうから、定年後孤独に陥りがちなシニアにとって、ますます寂しくなる一方です。

定年後に起業をしたり、自分の居場所作りのため何かの会をつくったりする場合も不機嫌な顔をしていては人を遠ざけることになりかねませんし、できることなら現役時代から特に理由もないのに不機嫌そうな顔をするのは避けたいものです。

笑いの効能、作り笑いでも

実際、笑ったり笑顔でいたりすることは人間関係だけではなく、自分の健康にとっても良い影響を与えるということは多くの研究で実証されています。免疫力のアップ、血行促進、脳の活性化、自律神経の調整機能、そして筋力アップといった様々な効用があるようです。さらに言えば、これは作り笑いでも効果があるそうです。口角を上げることによって表情筋の動きが脳に伝わり、楽しいと感じる部分を刺激するからです。つまり脳はだまされやすいのです。全国各地にある「笑い講」や「笑い祭り」の数々を見ていると、別に面白いことがあるわけでもないのにどうしてあんなに笑えるのだろう、何かわざとらしいと感じることもあります。恐らく医学的な実証が得られる以前から笑うことの効用というのは、人々の間によく知られていたのでしょう。ことわざの「笑う門には福来たる」というのもまさにこれを言い表しているのだと思います。

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