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ミヨコ・アンド・ジョン・デイヴィー財団のミヨコ・デイヴィー理事長

ミヨコ・アンド・ジョン・デイヴィー財団のミヨコ・デイヴィー理事長

グローバルに活躍できる人材が求められ、日本から米国の一流大学をめざす若者も増えているが、進学の大きなネックとなるのが授業料や生活費などお金の問題だ。理系のトップとされるマサチューセッツ工科大学(MIT)の学費は、東京大学の10倍ともいわれる。米国の大学に進む日本の高校生を支援してきたニューヨーク在住の美術収集家、ミヨコ・デイヴィーさん(84)に留学生支援の意気込みや期待、今後の支援計画を聞いた。

本代も含め…年に6万ドル目安に

――日本人留学生への支援はどのように?

「2012年に200万ドルの基金で設立した『ミヨコ・アンド・ジョン・デイヴィー財団』を通じて返済の必要がない給付型の奨学金を出し、毎年MITなどに進学する2~5人を支援してきました。特に社会の即戦力となる理系の人材を支援したいという思いからです。留学する大学生への支援制度はそれなりにありますが、米大の学部に進む高校生への支援は手薄でした。生活費や本を買うのに必要なお金など学生それぞれの事情も考え、当面の目安として年に6万ドルを支給しています」

――自身も1968年からの米国留学を経て、日系証券会社で働いたそうですね。その後、ジョン・デイヴィー氏と結婚し、個人資産家向けの証券会社を設立するなどで財団の基盤となる資産を築いた。

留学生らをニューヨークの自宅に招くことも=ミヨコ・デイヴィーさん提供

留学生らをニューヨークの自宅に招くことも=ミヨコ・デイヴィーさん提供

「1ドル=360円の時代で、正直お金には苦労しました。米国では『ウーマン・リブ』運動が盛んでしたが、女性の社会進出には厳しい時代でした。日本人として初めての女性証券トレーダーとして実力は認めてもらいましたが、給料は『日本の女性と比較して安くない』という理由で上げてくれなかった(笑)。勉学意欲は旺盛なのに財政的に厳しい家庭の子弟を応援したいという気持ちが強いです」

世界で活躍できる若者を育てたい

――孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長の「孫正義育英財団」や柳井正ファーストリテイリング会長兼社長の「柳井正財団」なども高校生の支援に乗り出しています。

「支援がかぶってしまうことも考え、経済学などの文系や芸術系の留学生にまで対象を広げることにしました。人数に上限は設けませんが、2019年は目安として10人程度まで対象枠を広げようと思っています。より若い時期に留学し、さまざまな人に会い、経験を広げることに大きな意味があります。『米国の大学で学ぶため、米国の高校に留学する』ようなケースも視野に入れ、支援対象を広げることも検討しています」

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