タイプが楽 津田大介、貼るノートPCスタンドに感動
ジャーナリストの津田大介氏が気になるモノやサービスに迫る本連載。今回試したのは、ONED社の「Majextand」。ノートパソコンスタンドだが、外出先で手軽に利用できる。その一風変わったコンセプトに津田氏の興味が湧いたようだが、その評価は?
ノートパソコンに貼って持ち運べる
僕は原稿の執筆などで、日ごろからキーボードを使う時間が長い。外出時や出張中はノートパソコンを使っているが、長時間タイピングをしていると手首が痛くなってくる。ノートパソコンの高さや角度を調整できるノートパソコンスタンドがあれば負担を軽減できるが、持ち運ぶには大きかったり重かったり、カフェなどでわざわざ取り付けるのが面倒だったりして、なかなか持ち運ぶ気にはなれなかった。
そんなときに見つけたONED社の「Majextand」だ。ノートパソコンの底面に粘着テープで貼り付けておけば、使用するときは開いてスタンドに早変わりする。ノートと一体化するスタンドというのが面白いアイデアだ。さっそく借りて使用してみた。
使いたいときだけ取り出す
実物を見ると、予想通りに薄い。畳んだ状態だと厚さはわずか1.7mmしかない。サイズは、縦141mm、横140mmとほぼ正方形。重量は約136g。
スタンドの高さは7~12cmの6段階で調節できる。膝上などでタイピングをするときは、折り畳んだままにしておけば、普通のラップトップとして使うこともできる。
粘着テープで固定するタイプということは、MacBookなど底面がフラットなノートパソコンを想定しているのだろう。実際、本体のカラーもMacBookを意識しているようにも見える。ノートパソコンによってはバッテリーやファンなどのパーツが出っ張っていて、底面がフラットではない機種もある。このあたりは購入前に確認しておくべきだろう。
僕は使っているLet's noteも底面はフラットではない。そこで粘着テープで貼り付けず、使いたいときだけ底面に敷くという使い方をしてみた。これでも十分、その恩恵は感じられた。やはり軽くて薄いということは大きな魅力なのだ。
標準機構にしても面白いかも
ノートパソコンを使うとき、手首に角度がつくとタイピングがしやすく疲労も軽減できる。Majextandを使えば、外出先でキーボードを使う時間が長い人でも、手首の負担が軽くなって、作業効率も上がるだろう。ノートパソコンで映画などを見るときにも使ってみたのだが、視線が上にあがり姿勢が良くなったこともあり、快適だった。
ノートパソコンスタンドは便利だと思いつつ、重さや携帯性の問題で敬遠していたが、Majextandはそれらの問題を解消してくれるとても興味深いソリューションだ。ノートパソコンの標準機構として、最初から実装しても面白いかもしれない。
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。1973年東京都生まれ。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。主な著書に「情報の呼吸法」(朝日出版社)、「Twitter社会論」(洋泉社新書)、「未来型サバイバル音楽論」(中公新書ラクレ)など。近著に「情報戦争を生き抜く」(朝日新書)。芸術監督を務める「あいちトリエンナーレ2019」が8月1日から開催される。
(編集協力 藤原龍矢=アバンギャルド、写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)
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