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銀行と投資 鮮明になる優勝劣敗に備えよ(平山賢一)

2019/5/21

一方で、リストラスピードや海外事業への積極性、新領域への取り組み具合などではバラつきが生じています。雇用コストの高い人材層が近く転籍や定年退職を迎える一方、新入社員の枠を減らしており、人口構成からして数年後にはグッとコスト耐性が強まりシェイプアップした姿も想像できるかもしれません。一等地にある支店の閉鎖がもたらす不動産売却益も無視できない規模でしょう。

焦点は、転換にかかる時間をいかに海外事業や新領域で補っていけるかです。逆に言えばこの課題を乗り越えられる銀行と、乗り越えられない銀行で大きく二極化していくと考えられます。一様に成果の乏しかった銀行株投資が今後、選択の時代に突入していきます。

■投資主体としての銀行

次に、銀行自体の証券投資がどのように変わるかも重要な点です。昭和末期の銀行は預金獲得競争の下、貸し出し拡大に血眼になり、不動産融資を拡大させてバブル経済を演出しました。当時の銀行の資金運用の主軸は貸し出しにありました。

不良債権問題で幕を開けた平成の時代は、生産年齢人口の減少も影響してか、貸し出しの重要性が低下する時代でした。預金に対する貸し出しの比率、預貸率は漸減傾向で、そのために生じる余資を証券投資に振り向けたため、預証率(預金に対する証券投資比率)が上昇しました。証券投資の中でも主流となったのが国債への投資です。金利が低下基調で推移する中、国債価格の上昇がもたらす利益は銀行の業績の支えでした。

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