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ロボットエリカと話したい 自然な会話へ試行錯誤 AIの未来を若手研究者が語る(京都大学・井上昂治)

人工知能研究会/AIR

2019/5/22

成長したのはERICAだけではありません。私自身も大きく成長しました。「相手が会話にどの程度興味をもっているのか」を自動で推定する研究に取り組み、その成果を博士論文としてまとめ、博士号を取得しました。2019年の3月には、情報処理学会全国大会のイベントIPSJ-ONE(若手トップ研究者によるトークイベント)にて講演する機会を得ました。自分の研究について多くの人に知ってもらうことができ、研究者としての幅が広がったと実感しています。

情報処理学会全国大会のイベントIPSJ-ONE

■人間とロボットの違いとは

ERICAの一連の研究を通じて、「人間とは何か」というとても難しい問題を考えるようになりました。人間らしい会話ロボットをつくることが研究の目標ですが、ロボットを作ればつくるほど、「ここが足りない」、「ここはまだロボットらしさがある」、「人間はこれが自然にできているのにロボットにはできない」といった課題がたくさんでてきました。しかし、これを少しずつ解決していくことで、「人間を理解する」ことにつながると信じています。

そして、この科学的なサイクルに私はとても惹きつけられました。人間らしさとは何か。人間らしいロボットをつくるためにはどうすればよいのか。AIやロボットが普及する将来の社会はどうなっていくべきか。このようなことを考えながら、今日も地道に研究を進めています。これからも音声対話システムや会話ロボットの研究を通じて、便利な世の中をつくるだけでなく、人間らしさの解明にも貢献したいと考えています。

研究室の風景

今回は、アンドロイドERICAに関する研究について紹介しました。そして、AIをつくることによってAIに魅せられていく過程を、私自身の体験をもとに振り返ってみました。次回は、音声対話システムや会話ロボット関連の最近の研究動向について、特にAIブームがもたらしたものを中心に紹介します。また、私がAI研究者を目指すようになったきっかけについても紹介したいと思います。

井上昂治氏 京都大学大学院情報学研究科 (工学部情報学科兼担) 助教、音声メディア分野を担当 人工知能学会 研究会優秀賞(2018年) 音声対話システムを主な研究分野としている

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