ロボットエリカと話したい 自然な会話へ試行錯誤AIの未来を若手研究者が語る(京都大学・井上昂治)

人工知能研究会/AIR

人工知能研究会/AIR

それから数日後、研究室にロボットが届きます。大きな箱を開けてみると、なんとそこにいたのは、人間そっくりのロボットでした。いわゆる「アンドロイド」です。見た目があまりにも人間にそっくりだったので驚くばかり。そして、いざ組み立てみようとしてもよくわかりません。教授と2人で試行錯誤の末、なんとか組み立てることができました。名前はERICA(エリカ)。研究プロジェクトの名前から付けられたとのことです。

その日からERICAの研究がスタートしました。研究といっても何をやっていいのかよくわからず。まずは、ERICAを椅子に座らせて固定するためのベニヤ板をホームセンターまで走って買いに行き、ノコギリで自作。市販の椅子を改造すること丸2日。特製の椅子がようやく完成しました。その次は配線です。といってもロボットに関しては素人でしたので、トライ・アンド・エラーの連続です。苦労の末、ようやくERICAが口を動かしながら言葉を発するようになりましたが、配線はまさに「盛りそば」状態。それでも初めて動いたときの感動は今でも覚えています。

この研究プロジェクトの目標は、人間のような自然な会話を、ロボットができるようにすることです。そこでまずは、最初の半年で、簡単な自己紹介の対話ができるようにすることから始めました。しかし、当時の私は音声対話システムを作った経験がありません。研究室の先生や先輩に手取り足取り教えてもらいながら、徐々にシステムを作っていきました。

シンポジウムで発表(2015年)

「趣味は何ですか」、「私の趣味は○○です」。こんな簡単な会話をするだけでも、ロボットにはとても難しいということを痛感しました。そして、朝から夜遅くまで何度もテストを重ね、ようやく初期のシステムが完成しました。その後、このシステムを日本科学未来館での記者会見にて披露しました。大勢の人の前で動くシステムを一からつくることはとても大変でしたが、この時の経験がAI研究者になるための大きな一歩になったと思います。

エリカの成長とともに自分も成長した

研究プロジェクトが本格的にスタートしました。研究を進めていくにつれて、ERICAの会話能力もどんどん進化していきました。私がいる研究グループでは、傾聴(お年寄りの話を丁寧に聞く)、就職面接(面接官)、研究室紹介、などの会話をERICAがスムーズにこなせるようになりました。そして、2018年8月には再度、日本科学未来館で記者会見を行い、3年半でのERICAの成長を披露しました。

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