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キャリアコラム

仕事は3年1本勝負に ジョブ型採用が変える就業観

2019/5/13

――採用形態の変化に、学生側はどう対応すればよいのか。

「ジョブ型採用が広がると、学生時代から専門性を磨いたり職業経験を積んだりした人が就職の際に一段と有利になるだろう。だから、大学では専門的な勉強をしっかりとすることが求められる。また、インターンをするのも一つの手だ」

「また、就職してからも自己投資を怠らず、専門性に磨きをかけることが必要になってくる。年功序列のメンバーシップ型と違い、ジョブ型は基本的に、自分で努力しないとキャリアアップも昇給もままならない。システムエンジニア(SE)やプログラマーの中には、仕事が終わった後に集まって勉強会を開いている人たちも多い。今後は、新たなスキルに副業としてチャレンジし、スキルアップして本業にするというようなやり方も出てくるだろう」

「とはいえ、企業は専門家ばかりを求めているわけではない。ラインのトップはたたき上げの人材でという希望は、企業の間に根強い。営業部長や事業部長、役員などは、専門性だけでなく会社の価値基準を社内外に発信するという役割も求められており、ゼネラリストは必要だ」

■ミスマッチに3つのパターン

「気を付けなければいけないのは、ジョブ型採用でもミスマッチが起こり得ることだ。ミスマッチには3つのパターンがある。1つめは、競争相手が多く社内で埋もれてしまうパターン。2つめは仕事が自分に合わないケース。例えば、AIエンジニアとして入社したものの、実際に働き始めたら自分にはAIは向いていないと気付くことはあり得る。3つめは、その仕事に対する社会的ニーズがなくなってしまう場合だ」

「ジョブ型採用だと、ミスマッチが起きてもそれを解決するための異動が難しいという問題がある。その場合、転職も一つの解決策になるだろう」

――ジョブ型採用が広がれば、雇用の流動性がますます高まるということか。

「その可能性はある。ただ、転職市場が一気に拡大するかどうかはわからない。今のように売り手市場だと、企業も優秀な人材は引き留めにかかるだろうし、積極的に転職しようと考える人はそれほど多くない。しかし、長期的に見れば、AIやマーケティング部門といった専門職は、流動性が高まっていくのは間違いない」

「若者はほとんど終身雇用を気にしていない」と沼山氏は話す

――若者の就職意識やキャリア観にも影響を及ぼすのか。

「最近、就職活動中の学生や20歳代の人たちと話をしていると、『終身雇用ってまだあったんですか』という反応がよくある。企業はまだ終身雇用を気にしているかもしれないが、若者はほとんど気にしていないというのが実感だ。実際、大企業に就職しても数年後に辞める若者は増えているし、大企業で働きながら当社の転職サービスに登録する若者も多い。若者のキャリア観は確実に変化しており、ジョブ型採用を含め採用の多様化が進めば、キャリア観はさらに変わっていくだろう」

「終身雇用時代のサラリーマン人生は、言ってみれば30年一本勝負だった。これからは、5年一本勝負や3年一本勝負になる。仕事により厳しさが求められるようになるが、同時に、失敗しても再チャレンジできる機会も増える。企業は社員が再チャレンジできる仕組みや風土を作ることが求められるだろう。個人は専門性を磨き、どんどんチャレンジする気概を持つことが大切だ」

(ライター 猪瀬聖)

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