完成度上がった3代目リコーGR 小型高画質を追求
熱狂的なファンを持つリコーの高級コンパクトデジタルカメラ「GR」シリーズ。その3代目「GR III」がついに登場した。
「GR」シリーズはフィルムカメラの時代から優秀な単焦点レンズを搭載し、俊敏な動作でスナップ撮影が可能なカメラとして、スナップショットの達人に愛された名機である。現在のGRシリーズは2013年5月に登場した1620万画素APS-Cサイズ相当のCMOSセンサー搭載「GR」が初代、Wi-Fiと新エフェクトを搭載し2015年7月に登場した「GR II」が2代目。
そして今回登場した最新機種では有効画素数が2424万画素にアップ、レンズは28mm相当/F2.8と変わらずだが、最短撮影距離が10cmから6cm(マクロ時)と向上、そしてついに3軸手ブレ補正機構「Shake Reduction」が搭載された。センサーについたホコリを落とすダストリムーバル機能や、画像にしま模様ができる「モアレ」を軽減するローパスセレクターの機能も追加された。
これまで以上に小型化されたボディー
サイズは幅109.4mm、高さ61.9mm、厚み33.2mmと前モデルより少しずつ小さくなった。ボディーサイズがグッと小さくなって、さらに持ち歩きやすくなった。これはスナップシューターにとってうれしい知らせだ。ジーンズの後ろポケットなどにサッと忍ばせることが可能になり、いつでもどこでも持ち歩いて気になるシーンをキャプチャーできるからだ。
ライバルであるマイクロフォーサーズなど小型のミラーレス機や他の高級コンパクトデジタルカメラと比べると、瞬時に撮影体勢に入れシャッターチャンスに強いところが本機の魅力である。また、写りもとても高精細でシャープである。高解像、高コントラストを実現するのが4群6枚のGRレンズ。高屈折率低分散ガラス、高精度ガラスモールド非球面レンズを最適に配置して収差(画像のゆがみ)などを抑制した。センサーは前述のとおり2424万画素となり、新開発のGR ENGINE 6と相まって、ディテール描写の向上、高速レスポンス、高感度特性を手に入れている。
仕上がり調整も多彩
GR IIIは28mm相当というワイドな画角だが、意外とこの焦点距離を苦手にする人も多い。クロップにより35mmと50mmでの撮影も可能なので、多くのフォトグラファーに歓迎されるだろう。表現力もグンとアップした。新たな仕上がり調整機能「イメージコントロール」は基本プリセットのみでも美しい表現が可能だが、フォトグラファーが彩度やコントラスト、明瞭度などを好みに応じてセッティングできるので、より自分らしい写真に追い込むことができる。
使い勝手も良好だ。直感的な操作ができるタッチパネルと、十字キー外周に設けられたコントロールダイヤルとで、スムーズかつ的確な各種設定、再生などが行えるようになっている。スペック、サイズ感、写りと、今までのGRシリーズとは一線を画し、「GR III」はより完成度が高まっていると言えるだろう。
GR IIIの魅力は写り自体にもあるが、このカメラを手にするだけで何か撮る気にさせてくれるオーラにある。フィルム時代からの長いファンがそれを証明している。GR IIIを待っていたファンはやはり多いようで、カメラ量販店ランキングでもナンバーワンに輝いている。何かを撮る気にさせてくれる希有なカメラであることは間違いない。これだけ持って旅に出るのもいいだろう。
次ページで作例を紹介する。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。http://sasurau.com/
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