マネー研究所

お金で考える人生100年の計

山一破綻で自宅売却 プロが学んだゼロからの資産形成

日経マネー

2019/5/17

写真はイメージ=123RF
日経マネー

お金で考える人生100年の計」を執筆してきた、フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史さんは4月に定年を迎えました。これからはご自身が老後のお金と向き合いますが、今どのようなことを考えているのでしょうか。今回は野尻さんにご自身の老後資産作りについて振り返っていただきます。

◇  ◇  ◇

■資産作りはマイナスから

2019年4月に定年を迎えたフィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史さん

──野尻さんはどう老後の資産作りを行ってこられましたか。

正直、社会人生活の前半戦で今みたいな資産形成をしているとは想像もつかなかったですね。勤めていた山一証券が1997年に廃業になり、マイナスからの資産作りをしなければならなかったので。

当時の私は38歳で、マンションをローンで買っていました。当時山一証券が金利を補助してくれる関係で、ローン契約は山一証券と私の間で結ばれていましたから、廃業に伴ってこれを一括で返済しなければならなくなりました。

普通住宅ローンは退職金で支払うのが一般的です。ところが退職金の額がさほど多くないうちに廃業となり、ローンを返済するにはとても足りませんでした。老後の資産作りにとコツコツ買っていた、山一証券の自社株も紙くず同然になってしまいました。正直、老後資産作りをどうするかを考える余裕はありませんでしたね。

幸いにも労働省(当時)の特例で、融資の借り換え先を探すための猶予期間が設けられました。ほっとしつつもローンの借り換え先を探さなければならず、いくつもの金融機関に相談しましたが、最終的にはどこも一定期間の勤続年数がなければ借り換えは認められませんでしたね。まあ、当時の私にとっては勤続日数が問題だったんですけど(笑)。結局、マンションを買い替える形でローンを新しく組むしかなく、結果片道1時間半ほどのところに住むことになりました。その後12年ほど住むことになります。

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