マネー研究所

お金で考える人生100年の計

山一破綻で自宅売却 プロが学んだゼロからの資産形成

日経マネー

2019/5/17

さらに、よく「私の財産は素晴らしい家族だ」という言い方をする人もいますが、その財産は分散されているでしょうか。例えば家族が住むところ、働いている国、働いている業種は分散されているのでしょうか。それを考えることは大切だと思います。

──老後の資産形成というと、長期投資が大事だというのがセオリーですが。

イラスト:小迎裕美子

これも誤解されていることが多い言葉です。同じ対象に投資し続けることが長期投資ではないんです。その投資対象が破綻したりしたら、それは無意味になってしまうわけですから。

重要なのは、「老後のために長期に投資し続ける」ことだと思っています。退場せずに資産を作り続けていくことが長期投資の本当の意味なのです。

積立投資も、老後資産を作っていく方法としてはとても大事ですが、それだけで老後が楽になるわけでもありません。積立投資をしていても、退職金の一括でお金がもらえたとしても、資産が同じなら老後生活を始める条件は同じなんです。その後どうその資産を引き出していくのか、それも大事だと思っています。

──野尻さんもこれからそういう段階に入っていくわけですね。

定率引き出しなどの理論はこの連載で解説してきましたが、どう実践するのかは僕自身の課題です。新しい連載コラムでは、改めて「この考え方を自分に当てはめてみたらどうか」を、読者の皆さんとご一緒に考えたいと思います。

野尻哲史
フィデリティ退職・投資教育研究所所長、フィンウェル研究所所長。一橋大学卒業後、内外の証券会社調査部を経て2006年にフィデリティ投信入社、07年から現職。アンケート結果を基にした資産形成に関する著書や講演多数。

[日経マネー2019年6月号の記事を再構成]

これまでの「お金で考える人生100年の計」の記事はこちらからご覧ください。

日経マネー 2019年 6月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP
価格 : 750円 (税込み)


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