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山一破綻で自宅売却 プロが学んだゼロからの資産形成

日経マネー

2019/5/17

──具体的なやり方は。

やり方はとてもシンプルです。外資系証券に移ったため給与水準自体は上がりましたから、その上昇分のお金は住宅ローンの返済を進めたり、貯金に回しました。その一方で、ボーナスを中心にETF(上場投資信託)への投資を行いました。少し余裕が出てきたので、12年ほど前に毎月の積み立て投資に切り替えました。その時にも、ボーナスは住宅ローンの返済と貯金、ETF投資に振り分けていましたね。

資産形成というと投資というイメージがありますが、個人的な経験から言うと貯金などいつでも使える現金があった方がいいと思っています。山一証券が廃業した時にお金がなかったという恐怖心から、やはり万一のためのお金があるという心の安寧のために貯金は必要だったのです。

■長期投資についての誤解

──山一廃業の経験が、野尻さんの老後資産作りの理論に与えた影響は大きかったですか。

大きかったですね。現金を持つこと以外にも、学んだことは多々あります。例えば分散投資の意味です。分散投資というと「資産分散」を思い出しますよね。株式と債券とか、個別銘柄であれば業種の分散とか。

実はもう一つ、自分の「人的資産」もこうした分散の対象に加えて検討する必要があると気付きました。人的資産を現金化する方法が働くことだとすれば、勤労収入はそれを引き出して、その一部を金融資産に変えていると考えることもできます。ただ、これが例えば山一証券で働いて、その現金化された金融資産を山一証券の株券として保有することは、人的資産と金融資産が分散されていないということになると思いませんか。

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