グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

話題のこの店この味

トリュフから味噌まで 進化系「ガード下おでん」3店

2019/5/12

味噌おでんと奥三河どりの鶏料理が人気の「舌舌(タンタン)」

最後は銀座コリドー街に19年2月にオープンした「ちょい呑み和バル 舌舌(タンタン)」だ。コリドー街は昨今進化しているガード下とするのはいささか無理があろうかと思うが、古くから銀座と新橋を結ぶ高架下ということで紹介させていただく。ここは銀座と新橋、さらに有楽町駅からもアクセスが抜群で、夕方4時から金曜と祝前日は翌朝3時まで営業。早くも繁盛店になっている。同店のウリは「名古屋めし」で、酒とともに愛知県産の銘柄鶏「奥三河どり」の焼き物や唐揚げ、名古屋名物の台湾ラーメンを提供する。なかでも強い人気を誇るのが、真っ茶色に染まった「味噌おでん」だ。

高さ7~8センチはありそうな「大根」(160円、税別)、「玉子」(130円、同)、「こんにゃく」(150円、同)、「ちくわ」(170円、同)、「厚揚げ」(170円、同)、「平天」(170円、同)と、「おまかせ4種盛り」(600円、同)が注文できる。チョコレートのような見た目の濃厚さやインパクトとは逆に、食べるとダイズの優しい甘みやまろやかさを感じ、だしがしみた具材と合わせて何を食べても味わい深い。おでんと一緒によく出るというハイボールを合わせると、ウイスキーの苦味と味噌の甘さ、おでん種のうま味が順番に来て、箸もグラスも止まらなくなる。

「おでんはすぐ売り切れてしまうので、毎日朝から仕込んでいます。八丁味噌と西京味噌、ザラメを合わせただしで、最初はさらっとした状態ですが、4時間以上煮込むことで野菜や具材のだしも加わり、コクや濃厚さが出ます。1カ月以上試行錯誤を重ねました」(料理長の山下茜氏)

「舌舌(タンタン)」のある銀座コリドー街はいま、独身男女の出会いの聖地

店長の梶川健治氏によれば、この味噌おでんを求めて、夕方の早い時間帯は30~50代のサラリーマンやシニア客が訪れる。そして銀座コリドー街は今、都内有数の出会いの場になっているそうで、同店でも21時以降深夜までは若い独身男女グループの来店が多いが、意外にも20代にも味噌おでんはウケて注文率が高いという。

従来のイメージから様々な進化を続けるガード下おでん。ただし3店に共通していたのはどのおでんも実に味わい深く、食べると胃も心も芯から満たされるのだ。しかも「暑い時期も関係なくおでんは売れる」とのことで、日本人のDNAにおでん愛は刻み込まれており、今後もガード下おでんは形を変えて生き続けていくのだろう。

(フードライター 浅野陽子)


グルメクラブ 新着記事

ALL CHANNEL