株取引をFXに転向 多重債務者から「億り人」へ

「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。
今回はAkiさん(36) 関西で灘中学の受験専門の家庭教師派遣会社を経営。最近は海外旅行や友人との釣りに夢中だ。

2004年ごろ~

Akiさん 自分の器量を把握して実現可能な目標設定が大切

高校は進学校だったが、ロックスターの夢に目覚めて音大へ。しかし夢の実現は遠く、就職難にも直面。とにかく稼がねばと、アルバイトでためた100万円を元手にデイトレードを始めた。初めて買ったのは長谷工コーポレーション(1808)。が、直後に転換社債発行を発表してしまい、訳が分からぬまま株価は急落。ビギナーズラックの逆を行く。最初の1年で初期投資分は“蒸発”。元手捻出へカードローンに手を出すも負けが続き、500万円の借金を抱える多重債務者に。仕事も安定せず、いちかばちかの取引で損切りできない悪循環に陥る。

09年ごろ~

高値で買った日本航空も上場廃止で「紙切れ」になった。株式は上場廃止でゼロ円になることはあっても、為替なら変動幅は大きくても上下20%程度だと勉強。中学受験の講師で稼げるようになったことで心の余裕も生まれ、外国為替証拠金(FX)取引に転向した。あの著名投資家ウォーレン・バフェット氏ですら年間の利回りは20%程度。自分の器量を悟り、月20%の利回りを目指すという呪縛を抜け出した。損切りの重要性も理解する。

FXでは「ドル・円」や「ユーロ・円」「ポンド・円」の取引が中心だ。海外情勢に目を配り、テクニカル分析で安定的に稼ぐ。レバレッジは5倍程度までに抑え、高望みせず手堅い取引を心がける。月7~10%の利回りを続け、17年には資産は1億円を超えて「億り人」の仲間入りを果たした。

19年~

好事魔多し。英国の欧州連合(EU)離脱問題が推移するなか、ポンド・円などのポジションを読み間違え、2月末に約2億8000万円の損切りを断行した。しかし、その後1カ月で負けを取り戻す。安定的に収益を上げる原点に立ち戻りたい。これまでの経験を生かし、今後は専業投資家になりたいと考えている。

[日経ヴェリタス2019年5月5日付]

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