AKB48など日本人アイドル 韓国発グループに続々
世界を席巻するようになった韓国発のグループ。日本デビューも続いており、2019年2月にはIZ*ONEとPENTAGONがデビューを果たした。少女時代やKARAなどのデビューが相次いだ10年頃をほうふつとさせる状況だが、当時と明らかな違いが見られる。それは、メンバーに日本人を含むグループが目立つ点だ。IZ*ONEはHKT48の宮脇咲良と矢吹奈子、AKB48の本田仁美、PENTAGONにはユウトが所属。2月に結成が発表された新グループ、TREASURE13には4人の日本人が参加する。
日本人メンバーを含むグループとして大成功を収めた先駆け的存在といえば、ミナ・サナ・モモの3人が所属するTWICEだ。17年、18年と『NHK紅白歌合戦』への出場を果たしたことも記憶に新しい。日本での大ブレイクに、彼女たちの果たした役割は少なくない。例えば、日本での公演は日本人メンバーが進行役を務める。テレビ番組でも同様だ。所属事務所「JYPエンターテイメント」のパク・ジニョン代表は、「K‐POPアーティストが日本で活動するなかで残念に感じていたのは、日本の方々と深くコミュニケーションするのが難しかったこと。十分なコミュニケーションを取るには言葉の難しさという側面があった」と振り返る。
海外の人材を発掘し、韓国以外のファンとのコミュニケーションを密にする手法は早くから取られてきた。例えば、08年韓国デビューの2PMにはタイ出身のニックンが参加。EXOには、12年の韓国デビュー時に4人の中国人メンバーがいた(現在の中国人メンバーは1人)。日本では、日本語で歌い直した楽曲をリリースするなどしていたが、K‐POPの一大市場となった日本に向けて、ついに日本人メンバーの採用が活発化したと言っていい。
日本人グループの育成も
今後は、K‐POPの"現地化"はさらに進む。BIGBANGや先のTREASURE13らを擁すYGエンターテイメントは、19年、日本の津々浦々を巡る大規模オーディション「YG JAPAN AUDITION 2019」を開催。
JYPエンターテイメントはソニー・ミュージックエンタテインメントらと組んで、「Nizi Project(ニジプロジェクト)」を始動する。これは、韓国ではなくまず日本でデビューし、日本から世界を目指すグループを発掘するというもの。日本語が話せることが、オーディションの参加条件となる。世界各国への進出を狙い、K‐POPのローカライズはより一層進んでいくこととなりそうだ。
(日経エンタテインメント! 羽田健治)
[日経エンタテインメント! 2019年4月号の記事を再構成]
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