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言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回はuseという単語が持つ、気をつけておきたい意味について見ていきましょう。

◇  ◇  ◇

勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。

ヒロシが勤める会社に、たくさんの新しいコンピューターが運ばれてきました。どうやら社員ひとりひとりに支給されるそうです。新品に取り換える目的がまったくわからなかったので、「何に使うのかな?」と軽い気持ちで同僚のナンシーに聞いてみました。ところが、ヒロシが口にしたその質問には何か影の意味があったみたいで、とてもネガティブなことを言っていると思われてしまったようです。

それは、こんな会話でした。

Hiroshi: Look! The company bought new computers for everyone.
Nancy: Ah, you're right!
Hiroshi: What's the use?
Nancy: Why are you asking that? You don't have to be so negative.
Hiroshi: Huh?

期せずしてヒロシは次のように言ったことになります。

ヒロシ:見て! 会社が全員分の新しいコンピューターを購入したよ。
ナンシー:あら、そうね!
ヒロシ:役に立たないよね。
ナンシー:なぜそんなこと言うの? そんなに悪くとらえることないわ。
ヒロシ:え?

上の会話でヒロシは、単に「何に使うの?」と言いたくて、What's the use?という言い回しを使ったのでした。しかし名詞のuseには、「使用」やそれと関連する意味のほかにも別の意味があって、ここでは「役に立つこと」を表しているのです。そのため、このフレーズは「何の役に立つの?」と尋ねていることになります。

より具体的には、What's the use of buying new computers?(新しいコンピューターを買って何の役に立つのか?)ということなのですが、ひとつ気をつけたいのは、この質問が「反語」のような含みを持つ点です。つまり、ただの問いかけではなくて、それ以上に「新しいコンピューターを買ったところで何の役にも立たない!」というネガティブな意見表明になってしまいます。したがってヒロシは、図らずも「無益だよね」と言ったに等しかったわけです。

では、どう言えばよかったのでしょうか。

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