「最近何しているの?」という会話から始まったのですが、私は「日本のように肩書きや所属組織が大切な社会で、どこまで組織に属さないでやっていけるか、今自分で実験しているところ。なぜなら、21世紀は個人が価値を持つ時代だと思うし、これまで若い人にそう言ってきたから。皆に言っていることを自分でも実践することにした」と話しました。

ネットワーク化された個人が、組織を超える時代

ところが、「個人が価値を持つ時代、個人でもやっていける時代」というのが、最初ジョンに伝わらなかったらしく、いろいろ聞かれました。「一人では孤立してしまうのではないか」とか、「一人で何でもできると思うということか」などと聞かれる中で、私の言いたいこと、考えていることを何とか伝えようと苦労して説明しました。

私は、「テクノロジーが進展する中で、誰でも肩書きや経歴などと関係なく、個人が世界に発信できる、どんな重要人物とでも直接コンタクトができる」、そして「個人でも志を同じくする人、同じ目標を持つ人となら、世界のどこででも協働ができる」ということを言いたかったのです。

特に「偉い人」に会おうとすると、いろいろ紹介が必要だったり、肩書きが必要だったりする日本社会(だけではありませんが)も変わるのではないか、と希望を込めて話しました(これは、いろいろ説明していく中で、自分でも次第にはっきりと意識してきたことでした)。

ですから、「孤立する」「孤高を目指す」ということではまったくありませんでした。そんなことを言いながらいろいろ説明したところ、ジョンはとてもよく理解してくれて、以下のツイートをしてくれました。

Nov 10:“21st c is about transcending organizational isolation as the networked individual who spans many worlds.”―@yokoishikura #wef #globalagenda

このツイートはいろいろな人にリツイートされて、私の世界が広がったように思えただけでなく、「なるほど、『21世紀は、多くの世界をまたにかけるネットワーク化された個人が、組織を超える時代』(ジョンのツイッター)というふうにいえるのか」という新しい発見もありました。

「クラウドソーシング」をめぐって

もう一つはドバイの空港に向かう車の中での会話です。初対面ですが、たまたま車が一緒になった南カリフォルニア大学の教授と、グローバル・アジェンダ・サミットの印象を話していた時のことです。

私は自分が所属している委員会「Future of Jobs(仕事の将来)」の活動を紹介し、「仕事自体の定義が変わること、クラウドソーシングが将来の方向性になることに確信を持った」と言ったところ、その教授は「クラウドソーシングには反対だ」ときっぱり述べました。

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