出世ナビ

ハーバードで学ぶ日本

日本のレストランは知恵の泉 ハーバードで学ぶ起業家 リリー・ペン氏(カリフォルニア州生まれ)

2019/5/3

■うどんの奥深さにひかれる

――ペンさんがうどん店「Taro San Japanese Noodle Bar」をオープンしたのは、サンフランシスコ近郊のパロアルト。スタンフォード大学のすぐ近くのショッピングセンターです。今、パロアルトでは、日本のラーメン店が話題になっていますが、この場所でレストランをオープンさせるにあたって、なぜ日本の「うどん」を選んだのでしょうか。

ペンさんが共同経営するうどん店「Taro San Japanese Noodle Bar」

「まず私は日本食の大ファンなので、日本食レストランを経営してみたかったこと。次にうどんの奥深さにひかれたことです。どんな具材を組み合わせても、おいしい。何て多くの可能性のある食べ物なんだろう、と。本格派のうどんをアメリカ人にも知ってほしい、と思ったので、製めん機や調理器具も全部日本から輸入して、めん作りの過程もお客さんから見えるようにしています」

「今年1月にオープンしたばかりなのですが、パロアルトには『ラーメンは知っていてもうどんは初めて』というお客さんは多いのです。先日、家族連れが来たのですが、小さい女の子たちが店に入るなり『ラーメンを食べたい!』と言い出して大変でした。ところがうどんを出してみると、『おいしい』と。こんな感じで少しずつうどんの人気が高まっていくといいなと思っています」

――店名の「Taro San」とは「太郎さん」という意味ですか。

「3人の太郎、という意味です。経営パートナーである日系アメリカ人のシェフの名前と2人の息子さんの名前に『太郎』が入っているので。ちょうど娘さんも3歳なので、太郎と3を入れようということになりました。

■現場の人を大切にする日本企業

――ハーバードでは日本企業に関連する授業を学んだと思いますが、うどん店の経営にどのように役立っていますか。

「日本企業の事例からは、現場で働いている人たち一人ひとりを、一人の人間として大切にすることを学びました。今、私の最も重要な仕事は『Taro San』で働いている人材のマネジメントです。キッチン、ホール、皿洗いなど様々な仕事がありますが、中にはすぐに辞めてしまう人もいます。『家から遠すぎる』とか『もっと時給の高い仕事が見つかった』とか、その理由は様々です」

「レストランの仕事は肉体的にハードですから、業界平均よりも多めに賃金を支払っていても、『これでは足りない』という人は必ず出てきます。私自身も人が足りないときは、給仕をすることもありますが、そんなに簡単にできる仕事ではありません。しかし経営者としてはやみくもに給料をあげつづけるわけにもいきません」

「今後、2号店、3号店とオープンしていきたいのですが、優秀な人材がなかなか見つからなくて苦労しています。すでに1号店の戦力になっている人たちにはできる限り長く働いてもらいたいのが本音です。そこで、お金以外のところで、どうやりがいをもって、楽しく働いてもらえるか、を日々考えています」

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL