「アレ何だっけ」が増えた? 脳の老化をテストで点検脳の老化対策(上)

日経おとなのOFF

テスト1と2の結果が思わしくなくても、心配には及ばない。「最新の脳科学では、脳への適切な刺激と生活習慣の改善によって、何歳になっても脳のパフォーマンスは向上することが分かっています」と長谷川さん。

人は20歳を超えると、1日10万個の脳の神経細胞が失われるとされている。このため、加齢とともに脳は衰える一方とかつては思われていたが、脳全体の神経細胞から見ると、何十年と減り続けてもわずかなもの。しかも、「神経細胞は高齢になっても新生することが分かってきました。さらに、神経細胞のネットワークは筋肉と同様、使えば使うほど鍛えられ、増えます」。鍛えることで、低下しがちな前頭前野の機能やワーキングメモリの働きが向上するのだ。

そのためには、どんな脳トレが有効なのか。それについては明日(2019年5月19日)公開の記事でお伝えする。

◇◇加齢で脳はどう変化する?◇◇

【change1 脳が少しずつ萎縮】
脳の一部は年齢とともに少しずつ萎縮していく。萎縮の早さや程度には個人差があり、部位によっても違う。原因は神経細胞数の減少。

【change2 前頭前野の機能が低下】
特に前頭葉の前方の萎縮が早い。前頭葉は脳の司令塔とも呼ばれ、感情や意欲、柔軟性などを司つかさどる部分で、衰えると怒りっぽくなる。

【change3 ワーキングメモリの機能がダウン】
前頭前野にあるワーキングメモリの処理能力が低下。個人差があるが、50代に入る頃には、最盛期に比べて30%ほど低下する。

(文 中城邦子、写真 竹井俊晴、イラスト 村林タカノブ)

長谷川嘉哉さん
認知症専門医。1966年、愛知県生まれ。名古屋市立大学医学部卒業。医学博士。毎月1000人の認知症患者を診察する認知症専門医。脳リハビリにも詳しく、講演でも活躍。著書は『一生使える脳』(PHP新書)ほか。

[日経おとなのOFF2018年11月号記事を再構成]