ホンダの電動小型二輪 静寂な走り、燃費100キロ超

航続距離が最大のネック

不便さもある。PCX ELECTRICの航続距離は41キロ。近隣への買い物あるいは通勤など決まったルートの往復ならいいが、それ以外でちょっと遠出しようとすると「走行可能な距離」という壁が立ちはだかる。現状、出先での充電も難しい。コンビニ駐車場など急速充電スポットも増えているがバイクでは利用できず、ガス欠ならぬ「電欠」リスクがつきまとう。

車体前方の「ELECTRIC」エンブレムは四輪EVと共通デザイン

ちなみにバイク免許には「小型二輪」「普通二輪」「大型二輪」と、乗ることができるバイクの排気量に応じて区分が定められており、さらにオートマチック(AT)限定かどうかが加わる。電動バイクにはもちろん排気量はなく、替わりに登場するのが「定格出力」という基準だ。

定格出力0.98kWのPCX ELECTRICは原付き二種バイクで、小型二輪(AT限定)以上の免許があれば乗ることができる。高速道路や多くの有料道路は走行不可だが、原付き一種のような速度30キロ制限や二人乗りの禁止、二段階右折義務はない。なおテレビ東京「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で知名度も高いヤマハ「E-Vino」は原付き一種なので、普通自動車免許があれば乗れる。

宮古島ではレンタルサービスを開始

今回ホンダは初めて、日常生活の中での利用を前提に一般個人モニターを募集した。その理由について、ホンダモーターサイクルジャパン広報課の森口雄司氏はこう語る。

「これまでホンダの電動二輪は法人・事業主向けリースのみ。業務ではなく日常生活の中で使用される方々の声が全く収集できていなかった。感想やご意見、改善点などを集め、よりよい電動二輪の開発につなげていきたいというところが一番です」

世界的に二輪の排ガス規制が強化される中、メーカー各社にとって「バイクの電動化」は最重要課題のひとつだ。バッテリー性能そして出先で充電するためのインフラ整備など課題は大きく、電動バイク普及までの道のりはまだ見えていない。

ただ限られたエリア内であれば、非常に有効な乗り物となる。19年3月、宮古島でPCX ELECTRICを活用したレンタルサービスも始まった。

宮古島で実施中のレンタルサービス「宮古カレン」

「宮古島は、環境保全にも力を入れている非常に風光明媚(めいび)な島。音も静かな電動バイクで島を走りながら、宮古島のきれいな空気を吸い、風を感じ、波の音を聞き、その魅力を満喫していただくアクティビティーのひとつとして展開しています。ガソリンを使用しない電動バイクのクリーンなイメージは、美しい宮古島をPRするのにも合致し、電動バイクならではの使い勝手を体験いただくことができます」(森口氏)

島内のカフェやレストラン、土産物ショップなどに「バッテリー交換スポット」が用意され、利用者は島観光の途中でそこに立ち寄ることで、満充電のバッテリーと交換できる。

年内には首都圏でもPCX ELECTRICのシェアリングサービスが始まる予定とのこと。未来のバイクを一足先に体験してみたい方は要チェックだ。

(ライター 和田亜希子)

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