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ホンダの電動小型二輪 静寂な走り、燃費100キロ超

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NIKKEI STYLE

バイクのEV化が急速に進展している。2019年3月に開催された東京モーターサイクルショー2019では、台湾のキムコはじめいくつものメーカーブースで「電動バイク」が目玉として展示された。国内メーカーでは、ホンダが2018年11月、法人・事業者向けのリース用途限定で「PCX ELECTRIC」を発売した。ホンダ初の125ccクラス電動バイクだ。今回モニターとして2カ月間試乗する機会に恵まれたので、充電方法やエンジン搭載車との違いなどを紹介したい。

125ccクラス相当の電動バイク

この「PCX ELECTRIC」は、通勤の足としても人気の高い小型スクーター「PCX」がベースとなっている。外観はほぼ一緒だが、よく見ると大きな違いがある。

まずマフラーがない。そして従来のバイクが車体下部にエンジンを搭載しチェーンで動力をタイヤに伝えるのに対し、電動バイクでは後輪部分に「モーター」が装着されている。

従来はヘルメットなどの収納となっていたシート下は、ほぼ全面バッテリー収納部となっている。バッテリーはホンダとパナソニックが共同開発した「モバイルパワーパック」で、重さ約10キロのものを2個入れて直列接続させている。

満充電にすると時速60キロの定地走行(1名乗車時)で41キロ走る仕様だ。走り出すとメーター内のバッテリー残量が1%ずつ減ってゆく。

充電方法は2通り用意されている。

一つは車体から充電ケーブルを引っ張りだし、100V家庭用電源につないで直接充電する方法だ。ゼロから満充電まで約6時間、夜帰宅後ケーブルをつなげば朝までには充電が完了している。

もう一つは、バッテリーを車体から取り外し、専用バッテリー充電器を使い屋内で充電する方法だ。充電時間は約4時間で、この方法なら駐輪場での充電が難しい場合でも利用が可能だ。

「燃費」はガソリン車の2倍?

気になるのはランニングコストだろう。

通常、車やバイクの経済性を表すのに使われるのは、1リットルのガソリンで何キロ走れるかという「燃費」だが、ガソリンを使わない電動バイクの場合は別の計算が必要になる。バッテリーを満充電するのに必要な電力量からざっくり比較してみた。

2個のメインバッテリーを充電するのにかかる電気料金は「1kWh=25.98円」換算で54円。一回充電当たりの航続距離は41キロなのでキロ当たり1.3円。ガソリンの価格を1リットル145.6円とすると、ガソリン1リットル分の電気料金で112km走ることになる。

ガソリン車「PCX」の燃費は54.6km/L(定地燃費値/2名乗車時)なので、上記計算では燃費は2倍いいと言える。前提となる電気・ガソリン料金によって数値は変わり、またガソリン車のPCXの燃費が「2人乗り」前提のため正確な比較ではないが、日常のランニングコストという点で電動バイクのほうが経済的なことは間違いないだろう。

ただ現状、車体価格は電動バイクのほうが高く、バッテリー寿命もある。トータルで得になるかどうかは別問題だ。

乗り心地の良さは格別

今回初めて電動バイクに乗車し何より驚いたのは、乗り心地の良さだ。エンジン搭載マシンに人が直接またがるバイクでは、操縦者は燃焼機関から発せられる音と振動に常にさらされる。大型スポーツバイクだけでなく、小型スクーターでも程度の差こそあれ一緒だ。

ところがこのPCX ELECTRIC、走行音がほとんどない。エンジンから来る振動もない。右手でスロットルを回しアクセルを開くと、すっと路面を滑るかのように静かに走り出す。まるで浮遊感すら感じる新感覚の乗り心地だ。

振動がないと、長時間走り続けても疲れない。「音も振動もないなんて物足りない」という声も聞かれたが、実際に乗ると、従来のバイクとは異なる快適性・楽しさがそこにはある。例えば、バイク走行中に周囲の音、鳥のさえずりなども楽しめるし、近隣の家や周囲の歩行者に対しバイク騒音を気にしなくて済む。筆者の場合は、バイクに乗車しながらアクションカメラで美しい映像を撮ることができた。

正直静かすぎて、夜の住宅街では、前方を歩く歩行者や自転車に気付かれにくいリスクが発生するほどだ。といっても音が全くないわけではなく、「クイーン」という、どこか近未来的なやや高域のモーター音がある。四輪EVの走行音を想像してもらうと近いかもしれない。

エンジン車との違いのもうひとつは「加速性能」だ。特に走り出しの加速性能が非常にいい。PCX ELECTRICはスペック上最高速度60キロで、流れが速い幹線道路での走行に不安の声もあがっていたが、モーターならではのスムーズな加速で「走りやすい」と感想をSNSに投稿するモニターも少なくない。

一方、最高速度と高速時の加速性能という点ではガソリン車に軍配が上がる。モータースポーツ用の高性能な電動バイクも登場し始めているが、高価すぎるバッテリーゆえ量産型で同様の性能を実現するのは現状ではまだ難しいようだ。

航続距離が最大のネック

不便さもある。PCX ELECTRICの航続距離は41キロ。近隣への買い物あるいは通勤など決まったルートの往復ならいいが、それ以外でちょっと遠出しようとすると「走行可能な距離」という壁が立ちはだかる。現状、出先での充電も難しい。コンビニ駐車場など急速充電スポットも増えているがバイクでは利用できず、ガス欠ならぬ「電欠」リスクがつきまとう。

ちなみにバイク免許には「小型二輪」「普通二輪」「大型二輪」と、乗ることができるバイクの排気量に応じて区分が定められており、さらにオートマチック(AT)限定かどうかが加わる。電動バイクにはもちろん排気量はなく、替わりに登場するのが「定格出力」という基準だ。

定格出力0.98kWのPCX ELECTRICは原付き二種バイクで、小型二輪(AT限定)以上の免許があれば乗ることができる。高速道路や多くの有料道路は走行不可だが、原付き一種のような速度30キロ制限や二人乗りの禁止、二段階右折義務はない。なおテレビ東京「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で知名度も高いヤマハ「E-Vino」は原付き一種なので、普通自動車免許があれば乗れる。

宮古島ではレンタルサービスを開始

今回ホンダは初めて、日常生活の中での利用を前提に一般個人モニターを募集した。その理由について、ホンダモーターサイクルジャパン広報課の森口雄司氏はこう語る。

「これまでホンダの電動二輪は法人・事業主向けリースのみ。業務ではなく日常生活の中で使用される方々の声が全く収集できていなかった。感想やご意見、改善点などを集め、よりよい電動二輪の開発につなげていきたいというところが一番です」

世界的に二輪の排ガス規制が強化される中、メーカー各社にとって「バイクの電動化」は最重要課題のひとつだ。バッテリー性能そして出先で充電するためのインフラ整備など課題は大きく、電動バイク普及までの道のりはまだ見えていない。

ただ限られたエリア内であれば、非常に有効な乗り物となる。19年3月、宮古島でPCX ELECTRICを活用したレンタルサービスも始まった。

「宮古島は、環境保全にも力を入れている非常に風光明媚(めいび)な島。音も静かな電動バイクで島を走りながら、宮古島のきれいな空気を吸い、風を感じ、波の音を聞き、その魅力を満喫していただくアクティビティーのひとつとして展開しています。ガソリンを使用しない電動バイクのクリーンなイメージは、美しい宮古島をPRするのにも合致し、電動バイクならではの使い勝手を体験いただくことができます」(森口氏)

島内のカフェやレストラン、土産物ショップなどに「バッテリー交換スポット」が用意され、利用者は島観光の途中でそこに立ち寄ることで、満充電のバッテリーと交換できる。

年内には首都圏でもPCX ELECTRICのシェアリングサービスが始まる予定とのこと。未来のバイクを一足先に体験してみたい方は要チェックだ。

(ライター 和田亜希子)

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