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風を感じ、絶景もスリルも堪能 トロッコ列車10選

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NIKKEI STYLE

爽やかな風を受けてトロッコ列車が走る。
窓のない客車の旅は、開放感でいっぱいだ。
五感で大自然を満喫できるトロッコを専門家が選んだ。

窓なし・ベンチ 貨車の特長発揮

「トロッコ」はダムなどの工事現場や鉱山、森林から、土砂や鉱石、木材などを運ぶ簡易な貨車。こうした貨車を改造して近年、観光用の列車として活用する例が増えている。屋根はあるものの窓がなく、乗客が外気を直接肌で感じられるのが最大の特長。あえて座席をベンチにするなど車内を簡素化し、貨車の持ち味を生かしている。

現役で使われている路線や廃線跡を利用するものが多い。一方で、赤村トロッコ油須原線(福岡県)のように、筑豊炭田から石炭を運び出すために着工したものの、開業することがなかった「幻の路線」を活用する事例も。連接バス形式の錦川鉄道「とことこトレイン」(山口県)も国鉄・岩日北線の未完成区間を整備して走らせている。

立山砂防軌道は現在も砂防工事の人員と物資を工事現場に輸送しているトロッコ。連続18段のスイッチバックで高低差200メートルの急勾配を上る。7月上旬~10月中旬の水曜日に個人向け乗車・見学会を実施。5月中旬ごろから募集し「毎年3~4倍の人気」(富山県立山カルデラ砂防博物館)だ。

1位 黒部峡谷トロッコ電車
(富山県) 880ポイント
断崖絶壁 退屈しない大迫力

大正時代から昭和初期にかけて黒部川電源開発の資材運搬用に敷設された鉄道。1953年に旅客営業運転を始めた。日本一深いV字峡はこのトロッコでしか訪れることができない。「断崖絶壁にしがみつくように走る電車は何度乗っても退屈しない」(瀬端浩之さん)。エメラルド色に輝くうなづき湖、峡谷で最も深い谷に架かる後曳(あとびき)橋、高さ220メートルのねずみ返しの岩壁など「見どころ満載でカメラの保存容量を超えてしまったこともある」(坪内政美さん)。

「峡谷の絶景はもちろん、普通客車やリラックス客車、特別客車と車両の種類が多いのが魅力」(諏訪篤嗣さん)。車窓の案内は富山県出身の女優、室井滋さん。「見どころをあますところなく伝えてくれる」(久野知美さん)

中間の駅に黒薙温泉があり「手軽に入浴ができる」(杉崎行恭さん)。終点の欅平駅から先は現在保守・工事用。公募で当選した年間2300人が専用列車に乗るなどして黒部川第四発電所を訪れている。同区間は2024年ごろ一般開放の予定。

(1)運行区間 宇奈月―欅平(28日までは笹平で折り返し)(2)期間 11月30日まで(3)大人料金 乗1980円(笹平までは往復1320円、リラックス客車は+530円、特別客車は+370円)(4)電話0765・62・1011(黒部峡谷鉄道)

2位 南アルプスあぷとライン
(静岡県) 730ポイント
肌で感じる奥大井の自然・歴史

かつて大井川水系のダム建設用資材を運ぶために敷設された鉄道。2018年5月から土砂崩れのために一部区間が運休していたが、今春、約300日ぶりに全線復旧した。日本で唯一アプト式と呼ばれる区間があり、歯車付きの機関車が特殊な歯形レールをかみ合わせて急勾配を上り下りする。「車両がジェットコースターのようにグングン上がっていくと元気がもらえる」(木村裕子さん)。山あいを縫うように走る路線はカーブやトンネルの連続。「車窓に広がる大井川、巨大なダム、秘境駅など、奥大井の自然と歴史を肌で体感できる」(南田裕介さん)

テレビで紹介されることも多い奥大井湖上駅は「駅がダム湖に浮かんでいるような浮遊感と非日常感があって最高」(久野さん)。「エメラルドグリーンの湖に赤い橋と赤いトロッコがよく映える」(田澤真理子さん)。鉄道橋では日本一の高さ、川底から70メートル以上にある関の沢橋梁を渡るなど山岳鉄道ならではの景色が楽しめる。

大井川鉄道は蒸気機関車(SL)で有名だが、「SLとセットで体験したい列車」(高田毅さん)。

(1)千頭―井川(2)通年(3)乗1320円(4)電話0547・45・4112(大井川鉄道)

3位 くしろ湿原ノロッコ号
(北海道) 630ポイント
自然や野生動物 これぞ北海道

釧路湿原をゆっくりと走るトロッコ列車。1989年に運行を始め、今年で30周年になる。「これぞ北海道という雄大な景色を見せてくれるダイナミックな列車」(坪内さん)。とりわけ細岡―塘路(とうろ)間は道がなく車や徒歩では行けない湿原の中を通るため、「その車窓は乗車した人しか堪能できない特権」(長根広和さん)。釧路川を行くカヌーや、運が良ければタンチョウヅルなどの野生動物とも出合える。「まるでノンフィクションのアドベンチャー映画のよう」(木村さん)

見どころでは減速のサービスやネイチャーガイドの案内もあり、「乗客の気分を盛り上げてくれる」(田澤さん)。湿原の中にある釧路湿原駅はタンチョウが羽ばたく姿をイメージしたログハウス調の建物。駅周辺ではU字に曲がる釧路川が間近で望める。「駅から徒歩10分ほどのところに湿原を一望できる細岡展望台がある。できれば駅で降車して、そこからの景色を楽しんでほしい」(瀬端さん)。

(1)釧路―塘路(2)5月6日までのGW期間と6月1日~(詳細は5月中旬に決定)、5月25、26日に釧路―川湯温泉の臨時便(3)乗540円+指520円、自由席もある(4)電話011・222・7111(JR北海道)

4位 嵯峨野トロッコ列車
(京都府) 510ポイント
桜や紅葉 四季を楽しむ

かつての山陰本線の一部を復活させた路線。春の桜、初夏の青紅葉、秋の紅葉と「保津峡の色彩豊かな四季を感じられる」(杉山淳一さん)。紅葉の時期には夜間のライトアップ走行もあり、「昼間とは一味違う景色も魅力的」(諏訪さん)。車内から保津川下りの遊船も見下ろせ、互いに手を振り合うのも楽しい。

「ほとんどの人は乗り通してしまうが、途中駅の保津峡で下車して散策したり、走る列車を撮影したりするのもおすすめ」(瀬端さん)。

(1)トロッコ嵯峨―トロッコ亀岡(2)12月29日まで(水曜運休。祝日の場合は運行)(3)乗620円(4)電話075・861・7444(嵯峨野観光鉄道)

5位 瀬戸大橋アンパンマントロッコ
(香川県など) 490ポイント
パパ・ママ安心の工夫も

雄大な瀬戸大橋を潮の香りと風を浴びながら渡る。アンパンマンのキャラクターが車内外にデザインされた列車は「小さな子ども連れのファミリーに、もっともおすすめ。パパ・ママに安心なベビーカー置き場やオムツ交換も可能な多目的スペースもある」(久野さん)。

床にはガラス窓がはめ込まれていて「大橋から真下の海を見下ろせてスリル満点」(長根さん)。「列車とのすれ違いも多く楽しい」(南田さん)。

(1)高松または琴平―岡山(トロッコ乗車区間は坂出または琴平―児島)(2)11月までの土日祝と夏休みを中心に運行する予定(3)乗1510円+グ980円(高松―岡山)(4)電話0570・00・4592(JR四国)

6位 奥出雲おろち号
(島根県) 420ポイント
鉄道ファンは「たまらない」

ヤマタノオロチ伝説の里、奥出雲の山あいを走り抜ける。出雲坂根駅付近では、急勾配を珍しい3段式スイッチバック(列車が進行方向を2度変える方式)で上り下りする。車窓からは高低差100メートル以上ある日本最大級の二重ループ道路「奥出雲おろちループ」も望める。「鉄道ファンにはたまらない要素がいっぱい」(坪内さん)

「駅舎がそば屋の亀嵩では、事前予約すれば絶品の手打ちそばを車両まで届けてくれる」(瀬端さん)。

(1)木次(または出雲市)―備後落合(2)11月24日までの金土日祝(夏休みと紅葉期間は平日も)(3)乗1140円+指520円(4)https://www.jr-odekake.net/(JRおでかけネット)

7位 富良野・美瑛ノロッコ号
(北海道) 410ポイント
ラベンダーの香り 車内で

北海道の人気観光地、富良野・美瑛の丘陵地帯をのんびりと走る。道中はラベンダーなどの花畑が次々に現れ、車内にも漂う花の甘い香りを楽しめる。富良野から20分ほどのラベンダー畑駅には、このノロッコ号が臨時停車する。「徒歩7分ほどのファーム富田のラベンダー畑は必見」(杉崎さん)。「広大な大地をのんびり走るので、穏やかな空気が列車を包む」(南田さん)

「春夏に北海道に行くなら、ぜひ押さえておきたいトロッコ列車」(久野さん)。

(1)富良野―旭川(2)6月8日~(詳細は5月中旬に決定)(3)乗1070円+指520円(自由席も有り)(4)電話011・222・7111(JR北海道)

8位 赤沢森林鉄道
(長野県) 360ポイント
森の香り・澄んだ空気 堪能

日本三大美林の一つ、赤沢自然休養林を走る。1975年に廃止された木曽森林鉄道の保存施設を使い、87年に上松町が復活させた。「実際に使用された線路と車両。観光目的のものと違う迫力がある」(杉山さん)。樹齢300年のヒノキの大木が林立していて「景色も空気も香りもすべてがごちそう」(木村さん)。「川の水は透き通っていて、思わず手を伸ばしたくなる」(田澤さん)

「春や秋もいいが、夏の日差しと森の中を吹き抜ける心地よい風を楽しんでほしい」(瀬端さん)。

(1)赤沢自然休養林の園内(2)11月7日まで(3)乗800円(夏休みイベント期間は+200円)(4)電話0264・52・1133(上松町観光協会)

9位 里山トロッコ
(千葉県) 350ポイント
まるで「おとぎの国の列車」

首都圏から一番アクセスの良いトロッコ列車。蒸気機関車を模したディーゼル機関車が、小さな客車を引いてのどかな里山を走る姿は「おとぎの国の列車のようでかわいらしい」(高田さん)。終点の養老渓谷近くの菜の花畑がハイライト。「まるで黄色い絨毯(じゅうたん)の上を走っているよう」(田澤さん)。菜の花の見ごろは4月中旬ぐらいまで。同渓谷の秋の紅葉も見どころだ。

夏にはビールが飲める納涼トロッコも走る。「沿線の木造駅舎も魅力的」(杉崎さん)。

(1)上総牛久―養老渓谷(2)12月中旬までの土日祝など(3)乗760円+整理券500円(4)電話0436・23・5584(小湊鉄道)

10位 しまんトロッコ
(高知県など) 310ポイント
雄大な清流見下ろす

清流、四万十川に沿って走る。高台を行く列車から雄大な川を見下ろすように眺められ、「清涼感でいっぱい」(櫻井寛さん)。2013年に改装した山吹色の車両は「ななつ星」などの列車を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザイン。「北海道で木材を積んでいた貨車を改造したもので、乗り心地の悪さは最高。これぞトロッコ列車」(坪内さん)

「GW近くには十川駅付近で、こいのぼりの川流しが車内から楽しめる」(長根さん)。

(1)窪川―宇和島(トロッコ乗車区間は一部)(2)9月29日までの土日祝、夏休み(6月運休)(3)乗1850円+指520円(4)電話0570・00・4592(JR四国)

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は専門家の評価を点数化。(1)区間(2)2019年の運行期間(3)大人料金(4)問い合わせ先。写真は1、4位三浦秀行撮影、2位大井川鉄道、3、7位JR北海道、5、10位JR四国、6位JR西日本、8位上松町観光協会、9位小湊鉄道提供

調査の方法 専門家への取材を基に運行しているトロッコ列車を事前に24カ所リストアップ。乗って楽しい、車窓が素晴らしい、写真に撮りたいなどの観点から、お薦めのトロッコ列車を1~10位まで順位をつけてもらって編集部で集計した。

今週の専門家 ▽木村裕子(鉄旅タレント)▽久野知美(フリーアナウンサー)▽櫻井寛(フォトジャーナリスト)▽杉崎行恭(鉄道写真家、ライター)▽杉山淳一(鉄道ライター)▽諏訪篤嗣(いこーよ鉄旅ガイド)▽瀬端浩之(日本旅行鉄道プロジェクト次長)▽高田毅(鉄道ファン編集長)▽田澤真理子(KNT-CTホールディングス国内旅行部)▽坪内政美(鉄道写真家)▽長根広和(鉄道写真家)▽南田裕介(ホリプロアナウンス室マネジャー)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年4月27日付]

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