大学教授と堅物刑事の男女コンビ 海外ドラマ新作1位
2019年3月 海外ドラマ月間レンタルランキング
海外ドラマで人気の高いジャンルが犯罪捜査ドラマ。なかでも男女のコンビが事件を解決するバディものからは、多くのヒットシリーズが生まれている。新作の『インスティンクト-異常犯罪捜査-』はチャーミングな大学教授と堅物の女性刑事という異色コンビが人気を得て、TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキング3月度で1位に初登場した。
主人公のディラン博士は、CIA諜報員を引退して、名門ペンシルベニア大学で異常行動学を教えながら作家としても活動している。そんな彼の著作を模倣したとされる連続殺人事件が起き、ニューヨーク市警の女性刑事リジーから捜査協力を求められる。ディランは当初、この誘いを断るが、編集者のジョアンから次回作を酷評されたことで、かつての勘を取り戻そうと捜査への協力を決意する、というストーリーだ。
全米では2018年3月からCBSで放送がスタート。原作は『ZOO-暴走地区-』などの映像化で知られるジェームズ・パターソンの小説で、パターソンは製作総指揮としても参加している。
男女コンビが活躍するバディものは、『BONES-骨は語る-』『キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿』『エレメンタリー ホームズ&ワトソンin NY』などのヒットシリーズがある。いずれも性格の違う2人が、時に対立、時に協力しながら謎を解いていくコンビの関係性の面白さがファンをひきつけている。
『インスティンクト』のディランは明るく快活な性格で、スタイリッシュな外見だが、元CIA諜報員だけに銃の扱いや格闘術を熟知し、オートバイを乗りこなす行動派。優れた観察眼と分析力と直感で異常犯罪を次々と解決する一方、プライベートでは同性のパートナーと同居生活を送っている。チャーミングな魅力にあふれた人物だ。
コンビを組むリジーは、人を寄せ付けない堅物の刑事。仕事の相棒だった婚約者が殉職した過去があり、それ以来、単独で職務にあたってきた。正反対のキャラクターである2人が、コミカルなやりとりを繰り広げながら、シリアスな異常犯罪の謎解きに挑む。傷心のリジーが、ディランの支えで立ち直っていく姿も見どころだ。
ディランを演じるのは、映画、ドラマ、演劇の各ジャンルで活躍するアラン・カミング。海外ドラマのファンには『グッド・ワイフ 彼女の評決』のイーライ役で知られている。カミング自身、バイセクシャルであることを公表しており、本作でも同性カップルを自然体で演じている。リジーを演じるのは映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のボヤナ・ノヴァコヴィッチ。映画『ゴースト/ニューヨークの幻』でアカデミー賞を受賞したウーピー・ゴールドバーグが編集者ジョアン役で出演しているのも見逃せない。
安心して見られる1話完結型
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏によると、本作をレンタルするユーザーの男女比は57:43、年代は40~60代までと、まんべんなく支持されているのが特徴。「1話完結で視聴者側が安心して見られるフォーマットなのに加え、主人公のディラン博士がとても魅力的に描かれているので、幅広い層から支持されています。キャラクターの人気で、息の長いシリーズにもなりそうです」(中山氏)
『インスティンクト』はシーズン2の制作もすでに決まっている。男女コンビによる犯罪捜査ドラマの新たなヒットシリーズになりそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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