配車アプリが続々 京都観光はタクシーが便利に

インバウンドの利用が目立ってきた京都市内タクシー(京都駅前)
インバウンドの利用が目立ってきた京都市内タクシー(京都駅前)

京都の観光客にタクシーの利用を促そうと、スマートフォン向け配車アプリの導入が相次ぐ。米ウーバーテクノロジーズの日本法人は4月23日、タクシー大手のエムケイ(京都市)と配車サービス開始を発表。ディー・エヌ・エー(DeNA)は今夏にサービスを始める。観光客の移動手段となる路線バスの混雑が目立つ中、受け皿としての需要に期待する。

ウーバー日本法人、ウーバージャパンは配車アプリ事業を拡大している。すでに大阪や名古屋、仙台などで地元のタクシー会社と連携している。

京都ではウーバーのアプリを通してエムケイの車両を手配できるようになった。海外でウーバーのサービスを使い慣れた外国人が、日本でも同じ感覚でタクシーを呼べるようになる。年内には札幌や福岡など、エムケイが営業する他の7都市でも配車サービスを受けられるようにする方針だ。

エムケイは将来の人口減を見据え、増加が見込める訪日外国人客の需要の取り込みに力を入れてきた。シャープの小型ロボット「ロボホン」が観光ガイド役になる旅行商品、外国語で案内できる乗務員の育成などだ。

青木信明社長は「15~20年先の未来をみたとき、人々が移動する手段はタクシーとライドシェアになる」とみている。自動運転やライドシェアといったウーバーのモビリティー技術を取り入れた新サービス提供につなげる狙いもある。

DeNAは2018年に東京・横浜で始めたタクシー配車アプリ「MOV(モブ)」の対象を初夏にも京都に広げる。ギオン自動車(京都市)や都タクシー(同)、ホテルハイヤー(同)などの地元のタクシー会社と連携。「地元の利用者だけでなく、国内外の観光客需要が見込める」(DeNA)とみる。

人工知能(AI)でどこにいけば効率よく乗客を拾えるかを予測するナビの導入を検討中。タクシー事業者の利便性向上を強みに業容拡大を図る。

京都市域を走るタクシーの車両台数は約6000台。今夏には、ウーバーのアプリで14%、MOVでは13%のタクシーの配車が可能になる見通しだ。タクシー事業者にとっては利用者の門戸を広げ、生き残りを図る狙いがある。

京都を訪れる観光客にとって路線バスは欠かせない交通手段だ。金閣寺や清水寺といった主要観光地が駅から少し離れているためだ。ただインバウンド(訪日外国人)の増加で市民も利用する路線バスの混雑が目立つようになってきた。

京都市の調査によると、2017年に外国人観光客が利用する主な交通手段は鉄道が50%と最も多く、路線バスが29%と続き、タクシー・ハイヤーが4%。16年と比べバスは3ポイント下回った一方で、タクシー・ハイヤーは1ポイント強上回った。大きなトランクも積むことができ、家族など複数人で同乗できるタクシーへの注目はじわじわと高まりつつある。

(山本紗世)

[日本経済新聞朝刊2019年4月24日付]