節目は「5の年」 入社3年目に考える人生の見定め方「入社3年目の春」をマネーハック(5)

逆にオススメできないのはアーリーリタイアメントです。年金が支給され始める65歳まで無収入で、生活費のすべてを取り崩しに依存することはリスキーです。100回くらい計算しても収支に余裕があるほどの財産がなければ、まずは65歳まで働く方がいいと思います。そこからセカンドライフを始めても十分に時間はあると思います。

65歳の春~:引退と年金生活という大きな変化が訪れる

多くの人が65歳まで働ける時代になりました。「5の年」の最後として、65歳は何を考えればいいでしょうか。

幸いにして公的年金は支給開始年齢を一律に70歳などへの引き上げる方向にありません。これは65歳の人生にとっては選択肢が増えるということです。たとえば、次のような選択肢が想定されます。

(1)完全に引退して年金生活に入る
(2)年金生活に入るが、NPOや地域の団体に参加する
(3)給与はあまり高くないがやりがいのある仕事なので、年金生活に入りつつ働いてみる
(4)高い給与をもらえるチャンスがあるので、しばらく働き続けて引退年齢を遅らせる

こうした人生を選べるだけでも他の世代とは大違いです。特に「年金生活に入り、収入は気にせず社会に役立つように働きたい」というのはこの世代の一種の特権だと思います。子どもが中学生の時にはなかなか決断できないですから。

お金の問題も大きく変わります。もう「ためる」「ふやす」のステージではなくなります。計画的に取り崩しをしながら「今ある範囲でどう幸せに過ごすか」にシフトします。隔月に振り込まれる公的年金を基本的な支出に回しつつ、資産を少しずつ取り崩す予算管理に最初は戸惑うかもしれませんが、徐々に慣れていきたいところです。

ここまで自分の人生を自分なりに乗り越えてきたわけですから、75歳、85歳…と長生きをして人生を楽しみたいものです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「共働き夫婦 お金の教科書」(プレジデント社)など。http://financialwisdom.jp
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