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いきいき職場のつくり方

仕事でクルマ、潜む危険 タクシーにも労災リスク 産業医・精神科専門医 植田尚樹氏

2019/4/27

■事故の記録は全社で共有

ある物販会社では、全ての営業車にドラレコを導入しました。たんに事故の事後対応が目的ではありません。全ての営業現場、営業車を運転する全従業員と事故の映像などを共有して、再発防止に役立てているのです。

さらに記録したデータは、部長以上の幹部が集まる会議に加え、社長にも報告。どのような状況で事故が起きたのか、全社的に理解を深めているといい、とても斬新で良い取り組みだと思いました。

当然のことながら、ドラレコは事実の確認にも役立ちます。事故の相手方と事実関係の認識が一致しない場合など、やり取りに活用している事例も少なくありません。

車を運転する限り事故は起きうるものです。事故は被害者側はもちろん加害者側にとってもつらいものです。そのような際の負担を少しでも軽減するための備えとして、必要な装備といえるのではないでしょうか。

■運転の際は万全の体調管理を

乗り物の事故があると、運転手や操縦者で注目される病気に「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」があります。寝ているときに呼吸が止まってしまうもので、昼間に強い眠気を催すことがあり、SASのことが念頭にないと、居眠りと誤解されてしまうこともままあります。

運転の際に体調管理は万全を期す必要があります。ただ管理者側の対策となると、基本的には自己申告頼りとなってしまいます。

飲酒運転の防止であれば呼気中のアルコール濃度を測ればいいのですが、睡眠となると管理も難しいのが実情です。睡眠障害を測るためツールとしては「エプワース眠気尺度」や「ピッツバーグ睡眠質問票」などがあります。こうしたものを利用して、睡眠の量と質をチェックするのもいいでしょう。

チェック項目が多いようなら病院の「睡眠外来」に行くなり、産業医の先生と相談するなどして睡眠の質を改善することが大切です。

睡眠時無呼吸症候群の方には、就寝時にマスクを取り付けて空気を鼻から気道に送る医療機器である「CPAP(シーパップ)」を用いることもあります。必要に応じて保険適用でレンタル利用もできます。

労災を防ぐためには、自らの体調管理、自分の体を守ることに対する意識、そして事故を起こさないための教育の徹底が大切です。こうしたことを心掛けることで、乗り物での事故やけがのリスクを減らすことができるはずです。

※紹介したケースは個人が特定できないよう、一部を変更しています。

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植田尚樹
1989年日本大学医学部卒、同精神科入局。96年同大大学院にて博士号取得(精神医学)。2001年茗荷谷駅前医院開業。06年駿河台日大病院・日大医学部精神科兼任講師。11年お茶の水女子大学非常勤講師。12年植田産業医労働衛生コンサルタント事務所開設。15年みんなの健康管理室合同会社代表社員。精神保健指定医。精神科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

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