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古代マヤの祭礼品が続々 封印された洞窟探検で発見

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/5/10

ナショナルジオグラフィック日本版

メキシコのユカタン半島にあるマヤの古代都市チチェン・イッツァ。その地下には、いくつもの洞穴が連なる洞窟系があり、バラムク(ジャガーの神)洞窟と呼ばれている。聖なる泉を探していた考古学者たちが、この洞窟内で儀式用の品150点以上を発見した。

この発見は、2019年3月4日、メキシコシティで行われたメキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)の記者会見で発表された。偶然の発見だったが、1000年以上手つかずだったこの品々には、古代マヤの盛衰の手がかりが潜んでいるかもしれない。

バラムク洞窟が最初に見つかったのは1966年のことだ。その後、調査を行った考古学者のビクトル・セゴビア・ピント氏は、たくさんの考古学的遺物が存在すると報告書に記述したものの、遺跡の発掘は行わず、入口を封印するように指示した。そして、この洞窟の発見に関する記録は、すべて失われたと考えられていたのだ。

2018年、50年以上封印されていたバラムク洞窟に調査隊が入った。米ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラー(協会が支援する研究者)であるギレルモ・デ・アンダ氏をはじめとする大マヤ帯水層プロジェクト(GAM)の調査チームが、チチェン・イッツァの地下水面について調査するためだ。

何時間もバラムク洞窟の暗く狭いトンネルを腹ばいになって進むと、ヘッドランプが突然まったく予期せぬものを照らし出した、とデ・アンダ氏は振り返る。それこそ、チチェン・イッツァのかつての住人たちが残した捧げものの数々だった。無傷で非常に保存状態がよく、香炉や花瓶、飾り皿などの品々のまわりには石筍(洞窟の天井から落ちる水滴で、地面から上に伸びて成長した石)ができていた。

雨の神トラロックの姿をかたどった香炉。何世紀もの時間が経つ中で、香炉のまわりには石筍ができている(PHOTOGRAPH BY KARLA ORTEGA)

「私は言葉を失い、思わず泣き始めていました。チチェン・イッツァの聖なるセノーテ(泉)から見つかった人骨を分析したこともありますが、あの洞窟に一人で初めて入ったときの感動にはとうてい及びません」。デ・アンダ氏はそう語る。

また、デ・アンダ氏はこう述べる。「バラムク洞窟からわかるのは、チチェン・イッツァの終焉のときだけではありません。その始まりについてもわかるはずです。洞窟の封印が解かれたことで、大量の情報を得ることができました。分析できる有機物もあるので、チチェン・イッツァの発展についてわかることがあるでしょう」

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2019年3月6日付記事を再構成]

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