服装ルール厳しかった銀行員時代 靴が唯一の自己表現ポルシェジャパン社長 七五三木敏幸氏(上)

「日産の方は海外畑かドメスティックなのかで差がありました。海外畑でボルサリーノをかぶっている人がいて、すごいなと。日産出身者ではダイムラークライスラー日本時代に上司だった、那波史郎さんはおしゃれでしたね。その後フェラガモ・ジャパンの社長になられましたけど」

■「イタリアでは白と黒は色じゃない」と言われ衝撃

――欧米人の色やデザインの見方で、発見はありましたか。

「イタリア、フランス、アメリカ、ドイツはそれぞれまったく違います。いちばんファッショナブルなのはイタリアです。以前、リミテッドバージョン(限定車)を作るためにクライスラー日本にいたイタリア人のマーケティング担当者と話し合いをしていたときのこと。私が『色は、みんなから好まれる白か黒で』と言うと即座に『ボス、イタリアでは白と黒は色じゃない。赤やブルー、グリーンが色です。わかりますか』と言われて衝撃でした。最初から白と黒は限定車から外されるんです」

「ポルシェの各国の社長が集まるミーティングで昨年ミラノに行った際、ブランド研究でドルチェ&ガッバーナ本社を訪れ、メンズの仕立て服の工程を視察しました。素材から色から見事でね。(最高級毛織物の)ビクーニャを見せられて『この生地でコートを作ったらポルシェが買えますよ』と言われました。すごいよね」

シャツは「バルバ」「ルイジボレッリ」とイタリアブランドを愛用する。「手触り肌触りがとにかくすごい。イタリア人がブランドに誇りを持つ理由がわかりました」

――イタリアは製品へのプライドが高いといいます。

「きょう着ているシャツはイタリアのバルバです。同じくイタリアのルイジボレッリも好きですね。20年前くらいに初めて買ったときに、手触りや肌触りのすばらしさに驚きました。『イタリアのシャツはいいな』とイタリア人の同僚に話したら、『当たり前。世界にイタリア以上のものはない』。シャツは良さがよく分かります。ただ袖が長すぎる。当時はアームバンドをして着用していました。いまはなじみのテーラーさんに作り直してもらいます」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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