リーダーが語る 仕事の装い

車と服 機能に秀でた美しいデザイン、時代を超える ポルシェジャパン社長 七五三木敏幸氏(下)

2019/4/26

ユニクロからエルメスまで、買って、身につけ、自分なりにその価値を確かめてみる。「希少性があるからブランド力があるわけではない。ブランド力は感動体験にあるんです」と話すポルシェジャパンの七五三木敏幸社長(東京都港区のポルシェジャパン)

ポルシェジャパンの七五三木(しめぎ)敏幸社長は、ユニクロからエルメスまで多様なブランドを愛用するという。好みにかなう品々に共通するのは、機能に秀でた美しいデザインだ。そこに、自動車との共通点を見いだす。一流の職人技に触れ、ブランドとは何かと考えることも多いと話す。

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――きょう履いているジョンロブの靴は、どこが気に入っていますか。

「このプレーントゥは一昨年に買いました。履きやすさはもちろん、デザインが『気高い』のです。長くジョンロブ、フェラガモ、クロケット&ジョーンズを愛用してきましたが、4年前に初めてエドワードグリーンを買いました。エドワードグリーンはエレガントさはあまりないと思いますが、スポーティーでいいデザインです。買うことになったきっかけは、雑誌で知ったエピソード。エドワードグリーンは70年代に経営が悪化し、80年代に復活するのですが、新生エドワードグリーンのデザインは『ポルシェ911』からインスピレーションを得ている、とあったんです。これは買わないと、と店に見に行った。確かに丸みを帯びた靴のフロント部分には911の流線形に通じるものがあります」

服装規定が厳格だった銀行員時代に、靴で自己表現することに目覚めた。今でも靴には一家言持つ。30年以上はき続けている靴もある。この日はジョンロブ

■脈々と一つのスタイルをつなげていく機能美

――高級車とファッションに共通することがあるとすれば何でしょう。

「時代を乗り越える不変のもの、たとえばコートで20年、30年と使うハリスツイードなどでは、保温なり耐久性なりが第1で、奇をてらうことなくオーセンティックに仕上げる。そこには機能美があります。そのあたりが工業デザインと似ているのではないでしょうか。脈々と、一つのスタイルをつなげていく。それが使いやすく、着やすく、しかもかっこいい。ポルシェはそれに近いでしょうか」

――衣類では機能性がどんどん進化しています。ユニクロはどうでしょうか。

「この値段でこれだけのものが手に入るのは魅力だなあといつも感じています。仕事でもとてもユニクロのインナーにお世話になっています。一昨年にフィンランドへ行き、北極圏まで80キロくらいのところでウインタードライビングしました。マイナス20度の雪の中を時速80キロで疾走すると風がすごく、寒さが浸透します。ダウンコートを着ていてもリタイアした人がいたくらいなのに、私は上も下も『極暖ヒートテック』を着ていたから大丈夫でした」

「機能性のある衣料は最近充実し、ビジネスでも使い分けできるのがいい。出張中、飛行機の中ではZARAやビームスのジャージー素材のスーツがあれば快適です。朝に到着してもすぐ仕事にとりかかれますから」

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