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元AKB48仲川遥香 インドネシアでなぜ大ブレーク

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日経doors

2012年までAKB48で活動していたものの、選抜メンバーにすら入れなかったタレント・女優の仲川遙香さん。だが、現在はインドネシアの国民的アイドルとしての地位を築いている。テレビ番組にはひっぱりだこで、出演したテレビCMは20本超とCM女王でもある。17年には英国のマーケティング会社が発表する「ツイッターで影響力がある世界の女性15人」の7位にランクインして、人気歌手のブリトニー・スピアーズや米国民主党議員のヒラリー・クリントンを上回った。日本ではさえないアイドルだった仲川さんが、国民的スターになれた理由とは?

あっちゃんの卒業を機にジャカルタ行きを決意

現在、インドネシアで絶大な人気を誇る仲川遥香さん。無名だった7年前から、スターの座に駆け上がった背景には血のにじむ様な努力や涙ぐましい忍耐があったに違いない――。そんなこちらの予想とは裏腹に仲川さんは自身の人気について、あっけらかんとこう言い放つ。「インドネシアにまだ日本の芸能人がいなかったから。面白がってくれただけだと思います」

そんな苦労を人に見せない、底抜けの明るさが仲川さんの最大の武器だ。実際には、異国の地での活動は、想像を超えることばかりだった。それを持ち前の前向きな姿勢で乗り越えてきた。

インドネシアで活動していたJKT48への移籍は、自らの立候補がきっかけだ。AKB48としてデビューして6年がたったが、仕事もあまりなく、将来を思い悩む日々が続いていたという。そんな時、仲川さんの背中を強く押す出来事が起きた。それが、親友でもあり、当時AKB48のトップに上り詰めていた前田敦子さんのグループ卒業だ。

「彼女が大きな決断をしたのをはたから見て、私も次のステップに進もうと考えました」。そこで選んだのがインドネシアだった。「一度ジャカルタ公演に行ったことがあって、その時JKTのメンバーにも会いました。いい子ばかりで、とても楽しかった。次に頑張る場所はなんとなく日本じゃないなという気がして。海外に出て自分を試してみたいなと」。思いたつと即行動に出るという仲川さんは、プロデューサーの秋元康さんに直談判して、移籍の希望を伝えた。

病気、言葉の壁・・・自信喪失した日々

 そして、12年の秋に降り立ったインドネシア。ただ、この地では驚きの連続だった。「日本とはすべてのことが違っていました。日本の当たり前が通じませんでした」

最初の洗礼を受けたのは、到着3日目だ。朝、鈍い腹痛で目が覚めると、猛烈な吐き気と腹痛に襲われた。アメーバ赤痢という日本では聞き慣れない病気に感染してしまったのだ。「苦しかったけれど、到着後すぐにこの国でポピュラーな病気になるなんて、歓迎されている証拠だと周囲から言われ、私も気持ちを切り替えました」

その後も言葉や文化の違いが大きな壁となって立ちはだかった。「言葉が通じないので、日本人スタッフとだけ行動し、メンバーとも打ち解けられませんでした。テレビ番組に出演しても、言葉が通じないので、うまく話すことができませんでした」。当然、アイドルとしての仕事もなかなか軌道に乗らなかった。

その後2カ月近く、日本にいた時と同様に中途半端な状況が続いていた。「思い切って海外移籍したのはいいけれど、どこか挑戦することから逃げる癖がついていたんだと思います。AKB48の選抜メンバーからも外れ、自信も失くし、諦めることに慣れていました」

そんな仲川さんが目を覚ますきっかけとなったのは、年末年始に合わせて日本に一時帰国した時だった。「特にやることもなく、自宅で正月番組を見ていました。するとかつて一緒に活動していたメンバーがいきいきと活躍していた。一方、私は昔のままで、何も変わっていない。勇気のハンマーを振って自分の殻を破らなければならないと思ったんです」

手づかみで現地の料理を食べ、距離を縮めた

「とにかくジャカルタに戻ろう」と、帰国を早めた仲川さん。ただ、それが現地のメンバーと打ち解けるきっかけになった。帰国後早々、「もう帰ってきていると聞いたから、一緒に旅行しない?」とメンバーから連絡があった。年末年始の休みを繰り上げた仲川さんを気遣ってくれたのだという。「うれしくてすぐに行くと返事をしました。ただ、旅行先のコテージで出てきたのは、メンバーのお母さんが作ってくれた食べたこともないインドネシア料理ばかり。腹をくくって現地の人と同じように手づかみで何でも口に運びました。すると、メンバーも家族も『手を使って食事をする日本人は見たことがない』ととても喜んでくれ、距離がぐんと近づきました」

インドネシア語も独自の学習法で、たった半年で自由に操れるようになるまで上達させた。「語学学校に通ったわけでも、教科書をたくさん購入したわけでもありません。外国語を上達させるポイントはとにかく聞きまくることだと思います。会話を聞くのはもちろんのこと、『あれは何?』『これは何?』と相手が嫌がるまで質問する。すると次第に言葉が頭の中に入ってきます。そして覚えた言葉は間違っていてもいいので、どんどん使うようにしました。とにかく言葉を使えなければ話にならないので必死でした」

アドリブで目立つキャラを演じ盛り上げた

そんな仲川さんにチャンスが訪れたのは、あるトーク番組に出演した時だ。

この番組では曲を披露した後に司会者とトークを繰り広げる構成だったが、メンバーも緊張のせいで、型にはまったトークしかできず、盛り上がりに欠けていた。「なんとかしなければ」。必死になった仲川さんは片言のインドネシア語を駆使して、トークをつなげ、その後もスタジオの小道具を使って司会者にいたずらを仕掛けたり、セットにあったお菓子を勝手に食べたり……とアドリブを連発。司会者や観客を爆笑の渦に巻き込んだ。

「なぜあそこまで暴走したのか分かりません。一つ言えるのはJKT48を知ってもらうために番組を盛り上げようと必死だったこと。この国はまだアイドルの文化が根付いていなので、どう扱っていいのか分かっていない。だから、いじっていいんだよという方向に自分から持っていきました」

これを機に、出演依頼が相次ぎ、国民的な人気番組からも声が掛かるようになっていった。「私が話す片言のインドネシア語が面白かったのかもしれません。私の口から出てくるのはメンバーから直接聞いた生きた単語ばかり。だからテレビではあまり使われないスラングも混ざってしまう。それを面白がってくれていたのだと思います。日本ではお笑い担当ではなかったので、自分が笑われていることに最初は傷つきましたが、せっかく日本を出てきているんだから、日本と違うキャラでやってみようと。このキャラで行けるところまで行こうと覚悟を決めました」

チャンスは自分でつかみ取りに行く

インドネシアで着実に人気が出てきた3年目。「自分のことだけではなく、周囲に気を配ることもできるようになった」という仲川さんは新しく加入した後輩の指導にも当たるようになった。「自分を成長させてくれたJKT48に恩返ししたいという気持ちがありました」。

ただ、まだアイドルの文化が根付いておらず、ダンスや歌のレッスンを嫌がってばかりの後輩もいた。それを仲川さんは日本的な愛のムチで厳しく指導。「なかなかついてきてくれなくて……。厳しくしてしまってメンバー全員から嫌われてしまったこともあります」とすれ違いがあったことも。そんな状況を、仲川さんは話し合いをすることで打開。「それでも何が嫌だったのか、なぜ練習が必要なのか、どんな目標を持っているかを話し合う場を設けることで、一つになることができました」

後進の育成も一段落した16年、仲川さんはJKT48を卒業。今もインドネシアで活動を続け、女優業などにも挑戦している。「思い切って日本を出たから、新しいことが経験できて、人生を変えることができたと思います。20代や30代は最も自由な時期だと思ので、多くの人に気軽な気持ちで飛び出してみてほしい。チャンスは待っているだけでなく、ぜひ自分からつかみ取りに行ってほしいですね」

仲川遥香
タレント・女優。1992年生まれ。2006年に渡辺麻友さん、柏木由紀さんと共にAKB48に3期生として加入。2012年8月にJKT48への移籍を発表、同年12月にJKT48劇場デビュー。13年にはインドネシア版「恋するフォーチュンクッキー」でセンターを務める。16年にJKT48を卒業。現在もインドネシアで活躍中。

(取材・文 飯泉梓=日経doors編集部、写真 dentsuX entertainment)

[日経doors2019年3月18日付の掲載記事を基に再構成]

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