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この中でも注目なのはiDeCoの積み立てを始めるだけで確実に享受できる、(1)の掛け金の全額所得控除による所得税と住民税の軽減だ。節税できる額は年収や家族構成、年間拠出額によって異なる。

例えば年収600万円の場合、iDeCoで毎月1万2000円(年間拠出額14万4000円)積み立てた場合は年2万8800円の節税に。毎月2万3000円(年間拠出額27万6000円)積み立てた場合には年5万5200円の節税になる。積立期間が10年、20年に及べば節税額も10倍、20倍に膨らむのでお得度はかなり高い。

(2)の運用益非課税のメリットを生かすには、「手持ち資産のバランスを考慮する必要があるが、期待リターンの高い商品を選ぶのがポイントとなる」(山崎さん)。リスク商品で老後資金をつくるのに抵抗がある人もいるかもしれないが、iDeCoは積み立てなので、定期的に一定額ずつ買い付ける「ドルコスト平均法」で投資することになる。「相場が上げ下げする中、長く続けるほど購入単価が低くなるため、長期的に資産形成をするには最適の方法。投資タイミングを判断する必要もないので投資初心者も取り組みやすく、多忙で投資に時間を割けない人でも継続できる」と山崎さんは話す。

自分年金づくりのコアに据えるのはiDeCoだが、「さらに積み立てをする余裕があるなら、サブとしてつみたてNISAを活用したい」(山崎さん)。年間40万円、最長20年まで積み立てが可能だ。iDeCoの年間拠出額が27万6000円の人なら合計で年間70万円程度まで自分年金を有利に積み立てられる。

山崎俊輔さん
ファイナンシャルプランナー。フィナンシャル・ウィズダム代表。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。日経電子版で連載「人生を変えるマネーハック」を持つなど、執筆や講演で幅広く活躍。近著に『共働き夫婦お金の教科書』がある

(ライター 萬真知子)

[日経マネー2019年5月号の記事を再構成]

日経マネー 2019年 6月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


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