老後資金のゆとり確保、税制優遇あるiDeCoをコアにiDeCoで自分年金づくり(1)

日経マネー

写真はイメージ=PIXTA
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人生100年時代、リタイア後の生活費の基盤となるのは言うまでもなく終身でもらえる公的年金だ。問題は、毎月の生活費を受給金額で全て賄えるかどうか。年金制度に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の山崎俊輔さんは、「年金生活者夫婦の月間の家計収支を見ると、公的年金等による収入が20万9198円に対して支出は26万3717円(※)。赤字分の5万4519円を貯蓄の取り崩しでカバーしていることになる」と指摘する。

さらに支出の内訳を見ると、教養娯楽費と交際費という「生活のゆとり部分」の支出が計5万2465円。赤字分とほぼイコールだ。「つまり基本的な生活費は公的年金等で賄えるが、楽しみのために使うお金は不足するということ。だから現役時代に自助努力により自分年金をつくっておくことで、老後は旅行や趣味を気兼ねなく楽しめる」(山崎さん)。自分年金は未来のゆとりを確保することにつながるのだ。

「この春は、物価上昇率より年金の増額率を低くする『マクロ経済スライド』が実施される。公的年金破たんの心配はほぼなくなり、終身年金は維持されるが、徐々に給付水準が下がることになる」と山崎さん。それに備えるためにも自分年金は必須だ。

(※)総務省「家計調査報告(家計収支編)2017年 2世帯属性別の家計収支(2人以上の世帯)」より。年金生活者夫婦とは、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯のこと

確実に老後資金が貯まる

ではどんな手段で自分年金づくりに取り組めばいいのか。「先進国を中心に、公的年金縮小の代わりに個人の長期的な資産形成を国がサポートする制度の整備が進んでいる。日本でそれに当たるのが、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)とつみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)だ」(山崎さん)。いずれも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度。両制度は併用もできるが、自分年金づくりに回せる額が限られるなら、「老後の資産形成に特化され、税制優遇の内容も手厚いiDeCoを優先したい」と山崎さんはアドバイスする。

iDeCoは、公的年金に上乗せする私的年金制度の一つ。基本的に20歳以上60歳未満であれば、ほぼ誰でも加入できる(企業型確定拠出年金加入者は会社が併用を認めていなければ不可)。職業などにより定められた年間拠出限度額の範囲で積立額を決め、それを自分で選んだ投資信託や定期預金などで運用して、60歳以降に年金や一時金として受け取るものだ。「原則、60歳まで引き出せないので、確実に老後資金が貯まる」(山崎さん)。

最大のメリットは、(1)掛け金の拠出時(積立時)(2)運用時(3)受取時の3つのシーンで税制優遇が受けられること。具体的には、(1)掛け金は全額所得控除されるため、iDeCoを利用するだけで所得税と住民税が節税できる。(2)通常20%課税(復興特別所得税を含めると20.315%)される運用益がiDeCoでは非課税になる。(3)年金または一時金として受け取る時にそれぞれ所定の控除の対象になる。