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King Gnuの無敵感 引き出しが多過ぎる(川谷絵音)

ヒットの理由がありあまる(9)

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NIKKEI STYLE

今の日本の音楽シーンにおいて絶対に語らなければならないバンドがいます。そうKing Gnuです。今回は1曲について語るよりも、なぜこのバンドが今支持されているかを語るほうが意味があるのかなと。

まずこのバンドのリーダーでギター&ボーカルの常田大希くん。まさに才人で、センスの塊だ。彼のギターは「ロックな部分」と「知的な部分」が絶妙なあんばいで混ざり合っていて、すごく耳触りが良い。「こう来たかー」というフレーズが毎回入っている。また、チェロ奏者でもあるので弦を使ったアレンジもうまい。1月に発売したアルバム『Sympa』に収録するリード曲『Slumberland』や、昨年アニメ『BANANA FISH』のエンディング曲にもなった『Prayer X』でも、弦のフレーズが耳を引く。そして、もう1人のボーカル(&キーボード)井口理氏とのツインボーカルも素晴らしい。全く声質が違う2人による曲の歌い分けが、King Gnuに飽きない要因でもある。まぁとにかくここでは書ききれないほど引き出しが多くて、ズルイとしか言いようがないバンドなのだ。

僕を含め、多くのミュージシャンが常に悩むのは、自分が好きな音楽、そしてそれだけには収まらない芸術的な何かを、どうやって大衆に受け入れてもらえる楽曲に昇華させるかだ。米津玄師や星野源さんは、偽りなく自分の好きなものを大衆に受け入れさせている変態と言える。彼らは既に自身が新たなジャンルになっているわけで、そうなれれば勝ちなのだ。そんな変態に常田くんはなりかけているし、King Gnuは明らかに新しいジャンルそのものになろうとしている。

『Slumberland』を聴いてみると分かるが、米津や源さんの曲が持つようなサビのメロディーのキャッチーさはあまりない。だけどイントロのフレーズはつい口ずさんでしまうし、キャッチーではないはずのサビのメロディーもキャッチーであるかのように聴こえる。"歌謡曲的な中毒性"よりも"サウンド自体の中毒性"が高いのだ。ただ、これをいきなり提示したわけではなく、しっかりその前に『Prayer X』という、"歌謡曲的な中毒性"と"サウンド自体の中毒性"を兼ね備えたシングルを昨年リリースしている。この曲でリスナーの耳をKing Gnuという異物に慣らし、かつ脳内までをも占拠した。これが完全にターニングポイントだったと思う。

それによって"歌謡曲的な中毒性"の成分を減らした『Slumberland』は、リスナーにその成分が減ったことを気付かせることなく受け入れられたのだ。だからといって、キャッチーじゃないわけではない。それが彼らの不気味さであり、その異物感にリスナーは今までにないヒーロー感を感じ取っている。最近はカリスマといえば米津、源さんのようにソロアーティストばかりで、バンドで無敵感を漂わせるヒーローはいなかった。しかしその椅子にKing Gnuが座ろうとしている。いろんなバックグラウンドを持ち、メンバー全員のスキルが高く、アレンジも高度で歌詞もニクい。そんなバンドは他に今いない。

今のシーンにいるバンドマンで、King Gnuに脅威を感じてない人がいるならば、それはもうバンドなんて辞めたほうがいいとすら思う。さすがに暴論だが、それくらい僕は昨年彼らがリリースしたシングル『Flash!!!』『Prayer X』からのこのアルバムの流れにドキドキしたし、アートワークや映像を含め、クリエイティブな姿勢にもワクワクしている。

僕が現在、新譜を楽しみにしている若手の日本人アーティストをパッと思いついたところで挙げると、米津玄師、星野源、サカナクション、People In The Box、THE NOVEMBERSだ。その中にKing Gnuが入りました。共通点として、みんなサウンドの引き出しが多く、海外のトレンドから民族音楽まで幅広い影響を感じる人たち。いわば、J-POPという仮面をかぶった変態たちです(笑)。

川谷絵音
 1988年12月3日生まれ、長崎県出身。ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoroといったバンドのボーカルやギターとして多彩に活動中。indigo la Endが2019年第1弾デジタルシングル『はにかんでしまった夏』を各配信サイトにて配信中。

[日経エンタテインメント! 2019年4月号の記事を再構成]

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