動物たちの意外な超能力 ナショジオが選ぶベスト10
10連休の前半が終わって中休みという人もいるかもしれない。仕事や普段の生活から少し離れて、違うことに目を向けるのも気分転換になるだろう。そこで今回は、ナショジオの記事の中から、私たち人間にはない、動物たちの意外な能力のベスト10を紹介したい。
目
最初に紹介するのが「目」だ。同じ目をもつ動物でも、私たちとは違った世界が見える動物たちもいる。目の構造そのものも人間とは違っている。
上の写真にはないが、魚の眼力も私たちが考えているより高い能力をもつ。テッポウウオは、実は人の顔の違いがわかる、つまり人を見分ける能力があることが研究でわかってきた。実験の様子を撮った動画で確かめてほしい。
口
紹介したテッポウウオは目だけでなく、口から噴射する能力も秀でている。ラクダの口も負けていない。動画をご覧いただいてわかるように、ラクダはトゲだらけのサボテンをむしゃむしゃと噛み砕いて飲み込む。その秘密は口の構造だ。砂漠という苛烈な環境の中、長い進化の過程で会得したもののようだ。
【動画】トゲごとサボテンのみ込む 砂漠に生きるラクダの超能力
ドラキュラアリというアリは、指パッチンと同じ原理で高速に顎を動かす。その速度は時速換算でなんと300キロというから驚きだ。顎の構造を研究すれば、産業にも応用できるのではないかと考える研究者もいる。
手
愉快な動画だが、本当に侮れないのがアライグマの腕力だ。都心部で目撃されて大捕物になったときも柱に登っていた。しかし、その登はん能力は私たちの想像を絶する。なんと25階建てのビルの垂直の壁もものともしない。
カニの仲間カイカムリの手さばきも大したものだ。カイカムリは天敵が食べない海綿を帽子にすることで身を守る。ちょうど自分の体の大きさに合わせた形に切り取ることが、京大の研究者によって明らかになった。
まだあるスゴイ能力
ゾウは鼻ではなくDNAに注目だ。ゾウは細胞の数が私たちよりもはるかに多いのに、実はガンになりにくい。その秘密が解明されれば、未来の医療にも期待できそうだ。
【ニュース】ゾウがガンになりにくいのはなぜ? 理由の一つが判明
ちょっと怖いのが寄生体だ。寄生体というと特異な存在と思いたいが、実は生物界では異端と言い切れない。宿主をコントロールしてしまう技術には、主体性という言葉が虚しく映る。ダーウィンも彼らの存在を理解するのに困惑したようだ。
気分を変えて、楽しい動画をご紹介しよう。虫にとってカエルが天敵という種は多い。動画の甲虫は、カエルに食べられると、なんとオナラをして吐き出させる特技をもつ。サバイバルはお手の物だ。
人間だって負けてはいない
想像を絶する能力は人間にもある。フィリピン、マレーシア、インドネシアの周辺海域で暮らす漂海民族であるバジャウ族は素潜りで水深60メートルのところに10分以上もとどまることができるのだ。バジャウ族の人々には脾臓(ひぞう)が大きくなるDNA変異があり、遺伝的に水中での活動に適した体になったと考えられている。
【ニュース】水深60mに10分素潜り 驚異の漂海民族にDNA変異
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(日経ナショナル ジオグラフィック社)
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