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女子就活、激動の平成 いまや内定率は男子をリード

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NIKKEI STYLE

平成の時代、働く女性を取り巻く環境は大きく変化した。初期には、景気低迷による採用絞り込みの影響をより大きく受けた局面もあった。一方で、30年の間に働く女性の数は着実に増え、勤続年数が延び、仕事の幅も広がった。平成時代に就職した女性たちの実像や経験を、2回にわたり紹介する。

「女子はいらない」門戸狭く

平成の30年間にわたる就職活動は激動の歴史だった。1986年に男女雇用機会均等法が施行され、女子採用の門戸が広がったが、バブル崩壊で就職氷河期に。20世紀の終わりごろまで、女子学生の就職事情は経済の動向に大きく翻弄されていた。

「男子には就職先から資料が送られてきても、女子には届かない」「面接で『女子はいらない』と言われた」「就職セミナーの受け付け開始が男子より2カ月遅かった。女性を採用すると言っていても男女格差は日常茶飯事だ」――。

就職情報大手マイナビ(東京・千代田)が発行していた冊子「月刊コミュニケーション」を見ると、90年代初期の女子就職座談会ではこんな苦労話が飛び交っていた。

平成の就活はバブル景気を追い風に超売り手市場から始まった。リクルートによると、91年卒の求人倍率は2.86倍の高水準。ただ、売り手の恩恵を受けていたのは男子学生ばかり。女子は苦戦を強いられていた。

平成になる前の86年、男女雇用機会均等法が施行され、女子就活が転機を迎えた。企業は新たに大卒女子の採用を開始した。男子と同じ業務をこなす「総合職」と、事務作業が中心の「一般職」のコース別人事制度を導入する企業が増えた。それまで女子学生の就職は結婚前まで働く「腰掛け型」が一般的だったが、長期的なキャリアを志向する道が開けた。

ただ、現実には女子の総合職の門は予想以上に狭かった。当時は自宅に就職情報誌が届き、企業に資料請求をするのが慣例。就職情報大手、ディスコ(東京・文京)の武井房子上席研究員は「女子の採用情報を載せている企業が少なく、女子向けの冊子は男子より薄かった。資料請求はがきも、男子は切手不要なのに女子は違うなど、入り口から男女の就職格差が大きかった」と話す。

女性の採用拡大といっても、多かったのは一般職での就職だ。日本女子大が94年卒の学生を対象にした学内調査によると、就活前に総合職を希望した学生は約4割を占めたが、実際に総合職として就職した人は1割に満たなかった。

平成初期に就活をした女性は「四大卒の女子は採用対象外という企業がまだまだ多く、企業の面接で同じ顔ぶれがそろうことが度々あった」と当時を振り返る。

総合職希望でも、転勤は避けたいという学生に注目されたのが「エリア総合職」だ。昇進や給与面での待遇が総合職よりやや劣るが、遠隔地への転勤がない。安田火災海上保険が92年から導入するなど、従来の総合職と一般職以外の新たな女性採用の受け皿として広がった。

女性採用への道が少しずつ開けてきたのもつかの間、91年にバブル景気が崩壊。企業は採用抑制に動き、93年から就職氷河期が始まった。「エントリーシートを100社以上に送った。当時は手書きだったので大変だった」(食品メーカー勤務)、「受けられる企業探しに忙しく、大学に全く現れない女子も多かった」(旅行業勤務)

2000年卒の求人倍率は0.99倍まで低下した。四大卒の内定率は男子の91.9%に対し、女子は89.5%。当時「就職では四大卒より有利」といわれていた短大卒は84%と、女子の就活の厳しさが際立った。

キャリア積む道広がる

女子学生の就活が転機を迎えたのは2000年前後だ。99年に男女雇用機会均等法が改正され、募集や採用などの男女差別が禁止になった。00年には四年制大学を卒業した女子が20万人を超え、短大卒の約16万人を上回り主流派となった。

景気回復を受けて大卒の求人倍率は緩やかに上昇。女子の採用に前向きな企業が再び増えてきた。

00年代半ばは金融や大手メーカーなどで「女性活躍推進室」の設置が相次いだ。団塊世代の定年退職や人口減少を目前に経営者の危機感が高まり、女子の採用を本格化。「女性がリーダーとなって採用や育成を担うチームが登場し、本気度の高い女子採用ブームが起きた」(ディスコの武井氏)

職種の幅も広がった。リクルートキャリア就職みらい研究所の増本全所長は「文系の女子学生を医薬情報担当者(MR)やエンジニアとして採用する企業が出てきて、女性の仕事が一気に広がった」と話す。

08年のリーマン・ショックで再び景気が悪化に転じた。一部の企業が新卒採用の内定を取り消すなど、09~11年ごろまでは採用予定数を減らす企業が目立った。食品メーカーに勤める30代の女性は「当時の就職戦線はかなり厳しかった。最終面接まで進んでもなかなか内定をもらえず、つらかった」と振り返る。

00年代初期に通信業界に就職した女性は「大企業神話が崩れ、スキルアップを重視し始めた。就職後に社内制度で経営学修士号(MBA)を取得して転職するなど、ステップアップするという考え方が広まった」と話す。逆風下の就活は、女性のキャリア展望にも影響を与えた。

平成後期に入り、男女の差は徐々に縮まる。厚生労働省の就職状況調査によると、四大卒の男子学生の内定率が18年に97.5%だったのに対し、女子は98.6%。13年以降は一貫して女子が男子を上回っている。

企業は「女子限定説明会」を開き始めた。「平成初期に道を切り開いた女性総合職の第1世代を中心に、仕事を続ける女性のロールモデルが増えた。仕事と育児の両立やキャリアを話せる先輩が登場したことが大きい」(マイナビのリサーチ&マーケティング部の栗田卓也部長)

女性の働き方の多様化を受け、就活でも次々と新しいキーワードが生まれた。理系の女子学生にアプローチする「リケジョ採用」が話題に。マイナビの就職人気企業ランキングでは、10年代前半から食品・飲料メーカーが理系学生の上位を占める。00年前後に大学が相次いで新設したバイオ関連の学部で学んだリケジョの受け皿となった。

私生活を優先したい「ゆるキャリ」志向の学生も登場した。都内の大学に通う女子学生は「結婚・出産後も仕事は続けたいが、バリバリ働きたいわけでもない。趣味も大切だし、転勤はあまり望まない」と話す。

19年卒の求人倍率は1.88倍と、再び売り手市場となっている。総合職や一般職といった垣根も崩れてきた。リクルートの就職白書2019によると、20年卒の採用で職種別採用を実施すると答えた企業の割合は56%と前年より10ポイント低下した。定型的な業務の自動化が進み、メガバンクなどを中心に総合職と一般職を統合する動きも出てきた。

志望企業の資料請求ですら苦労した時代から、厳しい氷河期を乗り越え、女性が就職する道は大きく開かれた。女性の受け皿を念頭に設けられたエリア総合職の内定を、地元で働き続けたい男子学生に出した大手企業もある。女性の働き方の多様化は男性にとっても新たな道しるべとなっている。(潟山美穂)

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