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中身が大幅進化した新AirPods アップルの戦略は?

西田宗千佳のデジタル未来図

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NIKKEI STYLE

ケーブルがまったくない完全ワイヤレス型のイヤホンで高い人気をほこるのがアップルのAirPodsだ。そのAirPodsの新型が2019年3月末に発売された。外観こそほとんど変わらないが音質・使い勝手両面で大きく進化している。

外見は同じだが着実に進化

ヘッドホン市場は急速に「ワイヤレス化」が進んでいる。あるメーカーの内部調査によれば、日本国内でも、ヘッドホン市場全体のうち、販売台数の5割弱、販売金額の7割がBluetoothヘッドホンになった、という。2018年7月に市場調査会社のBCNが公開した調査結果では、販売台数シェア4割・販売金額シェア7割だったが、それよりさらに台数が伸びているというのが、メーカー側の分析である。

市場をけん引しているのは低価格製品と完全ワイヤレス製品。後者の中でも圧倒的なシェアを誇るのがアップルの「AirPods」で、2016年末の発売から2年以上が経過しているが、完全ワイヤレス型での市場占有率は5割(BCN調べ)を占める。

そんなAirPodsに新型が出た。現在は初代モデルの市場在庫もあり、新型と初代が市場に混在している状況だが、デザインの変更はほぼなく、一緒にすると区別がつかない。新型の購入に合わせて初代を中古として手放した人も多く、初代を安く手にできる場合もあるという。

だが、新型を使っている筆者は、「可能ならば新型を選ぶべきだ」と断言する。理由は、音質と使い勝手の両面で大きく進化しているからだ。

初代AirPodsは音のダイナミックレンジが若干弱く、高音がはっきりしない傾向にあった。そのため、音量を大きめに設定し、量感を増して音質をカバーして聞いてしまうことが多い製品だった。だが新型は、ダイナミックレンジと高音再現性が大幅に改善しているので、同じ音量で聞いたときの感じが大きく異なる。何倍も音質が良くなった……とは言わないが、「どうせ買うなら新型を」と言えるくらいには差が生まれている。

「複数機器併用での使い勝手」がAirPodsの魅力

もうひとつの違いは使い勝手。

AirPodsには複数の機器で使う時の切り換えが簡単、という特徴がある。

Bluetoothヘッドホンは、対象となる機器と接続して使う。音源の機器を変えるには、無線通信の相手を切り換える必要がある。複数の機器を同時に接続できる製品もあるのだが、低価格品のものなど、最近のBluetoothヘッドホンでは「1対1接続」が主流となっている。

「1対1接続」では、ヘッドホンは前回接続していた機器と常に接続しようとする。例えば、スマホで音楽を聴いた後でヘッドホンの電源を切り、その後タブレットにつなごうとヘッドホンの電源を入れると、自動的に前回つながった相手であるスマホと接続してしまう。タブレットにつなぐには、スマホ側でヘッドホンとの接続を切り、改めてタブレットで接続操作をしないといけない。

ソニーなど、いくつかのメーカーはこの問題の解決に「NFC」(近距離無線通信)を使う。NFCはおサイフケータイなどの基本になる技術で10cm程度の距離での通信規格だ。

NFCを搭載したヘッドホンとスマホを近づけると、自動的にお互いの情報をやり取りすることで、Bluetoothでの接続が完了する。ユーザーがいちいち接続操作をする必要がない点がメリットとなる。確かに操作は簡単になるが、タブレットやパソコンにはNFCを搭載していない機器が多く、完全な解決策ではない。例えばiPhoneは対象機種になっていない。

AirPodsは、詳しくは後述するが、アップル・オリジナルのワイヤレスモジュールLSIを使うことでもっとシンプルな解決方法を採用した。上の例の場合なら、タブレットで接続操作をすると、それまでつながっていたスマホとの接続は自動的に切れるのだ。新たに接続する方の機器さえ操作すればいいので、使い方はシンプルになる。

この仕組みは初代AirPodsから導入されているもので、新型のみの特徴ではない。だが、新型では「切り替えに必要な時間」が劇的に短くなった。初代モデルでは10秒程度かかっていたものが、新型では5秒程度に短くなる。たった5秒、というなかれ。毎回のことなので、この差はけっこう大きい。

アップルもこの点を強みと感じているようで、プレスリリースや公式サイトでも「接続切り替え速度の改善」が大きくうたわれている。

「独自半導体」が支える使いやすさ

この他にも新型では、「再生遅延の短縮」や「通話可能時間の延長」などが強化されている。また、いままではアップルの音声アシスタントである「Siri」を呼び出す際、ヘッドホン自体をタップする必要があったが、新型では声で「Hey, Siri」と話しかけるだけでいい。

こうした違いは、どれもちょっとしたことと言えるかもしれない。だが、サイズもデザインも変えることなく生まれた変化としては、十分に大きなものだ。

実は、新型では「H1」という、アップルオリジナルのワイヤレスモジュールLSIが搭載されている。初代AirPodsでは「W1」というLSIだったが、「H1」はそれをさらに洗練・進化させたもので、消費電力や切り替え速度など、様々な機能が改善されている。そもそも、初代AirPodsがもっていたBluetooth切り替えの容易さも、コンパクトながら安定した接続性も、消費電力の低さも、アップル・オリジナルのワイヤレスモジュールLSIの力で生まれていた。

アップルは傘下にヘッドホンメーカーの「Beats」を持っている。W1はAirPodsだけでなく、Beatsブランドのワイヤレスヘッドホンにも使われ、差異化要因となった。

Beatsは5月に、新しい完全ワイヤレスイヤホンである「Powerbeats Pro」を発売する。Powerbeats Proは2万4800円とAirPodsより高い、比較的高級なヘッドホンとなるが、内部で使うLSIは、新AirPodsに使われている「H1」である。今後のBeats製品はH1に移行していくのだろう。

アップル+Beatsという、ワイヤレスヘッドホンの2大ブランドの両方で使われるのが、W1およびH1のポイント。多数のヘッドホン製品で使うので、高機能なワイヤレスモジュールLSIを自社開発しても割に合う、ということなのだ。

ワイヤレスヘッドホンには、こうした目に見えづらいチェックポイントがあることも認識しておきたい。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。

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